「秋の彼岸」~季節の移ろいと和菓子 | ペコちゃん

ペコちゃん

宜しくお願いします(^_-)-☆


いつもここに来て下さってコメント書いて下さる方、「いいね」を入れて下さる方々、毎日本当にありがとうございます。そしてフォローして下さる方にも心より御礼申し上げます、ありがとうございます。

 

毎年この時期は「秋の彼岸(ひがん)」です。日本の「雑節」の一つで「お彼岸」とも呼ばれます。仏教に由来する行事とされ、3月の「春の彼岸」と9月の「秋の彼岸」があります。

 

日本では彼岸に供え物として、もち米とあんこを使用した「ぼた餅」や「おはぎ」と呼ばれる食べ物が作られ、食されます。これらの名前は、彼岸の頃に咲く花である春の牡丹(ぼたん)と秋の萩(はぎ)に由来すると言われています。

和菓子と季節の関係は密接で、春は桜餅、夏は水羊羹、秋は栗きんとん、冬は柚子餅など、旬の素材を使ったものや季節を象徴するものなど、四季の移ろいを感じさせてくれます。 
全国和菓子協会(Japan Wagashi Association)は、こうした故事にちなみ、美しい日本の四季と歴史の中で育まれてきた「和菓子」の素晴らしさを楽しみ、「和菓子」を含む日本の食文化を後世に伝え残す情報を発信されています。

 

【和菓子の歴史】

食が充分ではなかった古代人は、空腹を感じると野生の「古能美」(木の実)や「久多毛能」(果物)を採って食べていました。この間食が「果子」と呼ばれるものになったと考えられています。

食べ物を加工する技術のなかった太古には、果物の甘みを特別な恵みと感じ、主食と区別していたのです。

古代から栽培されていた果実、栗と柿~
栗は日本に自生していた野生のクリ「シバグリ」。果実が小さい。柿は1214年に現在の川崎市で発見され、甘柿として日本で最初に記録されたという、最も古い品種のひとつ

と言われる柿「禅寺丸」です。


現在の菓子の甘味には砂糖を使っていますが、昔の甘味とはまず、米を発芽させた「米もやし」を使ってでんぷんを糖に変える「飴」がありました。後年には麦芽が使われるようになりますが、米もやしの水飴は『日本書紀』にも登場します。

 

それから、「甘葛」(あまづら)という冬期におけるツタの汁を煮詰めた、一種のシロップがありました。お砂糖が初めて日本に伝わったのは750年頃のことですが、広く使われるようになったのは江戸時代以降のことです。

 

私が以前少しだけ茶道を習っていた事があります~お抹茶を頂く前に和菓子で口の中を甘くしておくのですが、毎回和菓子の内容が違うので楽しみでもありました。


江戸時代に入って、和菓子は大きく発展します。戦乱が止み、平和になったことから、菓子づくりに力を注ぐことができるようになり、飛躍的に発展していきます。

 

日本中の城下町や門前町で独特の和菓子が生まれたのもこの時代ですし、京都の京菓子と江戸の上菓子が競い合うようにして、菓銘や意匠に工夫を凝らした和菓子が次々に誕生しました。現在食べられている和菓子の多くは、江戸時代に誕生したものです。和菓子には、日本人の創作性が活かされています。

 

【和菓子の種類】

和菓子の饅頭には、大きく分けて「焼き饅頭」と「蒸し饅頭」があります。蒸し饅頭は、「種(皮の部分)」で餡を包み蒸したものです。
 

餡の種類には、小豆の漉し餡、小豆のつぶし餡、小倉餡(漉し餡にかの子豆を混ぜたもの)、うぐいす餡(えんどう豆でつくった餡)、黄身餡、栗餡、ごま餡、柚子案、抹茶餡、味噌餡など、数限りなくあります。

 

焼き饅頭にも、オーブンで焼く栗饅頭やカステラ饅頭があります。日本全国どこに行っても、地方色を生かし、和菓子店が工夫を凝らした饅頭が必ず見つかります。

 

和菓子は規格品ではなく、形、大きさ、餡や種に自由な発想を盛り込むことができるわけですから、全国に何種類の饅頭があるのか、とても数えられるものではありません。少し大げさな表現ですが、和菓子はつくる人の数だけ種類があるそうです(笑)


和菓子の季節感にはふたつあります。ひとつは「その季節だけにつくられる和菓子」、もうひとつは「季節を表現する和菓子」です。

「その季節だけにつくられる和菓子」は、花びら餅、草餅やうぐいす餅、桜餅、柏餅、水羊羹、栗の菓子などです。季節の到来を告げ、その季節が過ぎると「来年またお目にかかりましょう」と、すっと身を引き、次の和菓子に席を譲る。潔い和菓子です。

一方、「季節を表現する和菓子」は、形や色合い、菓銘の響きで季節を表現し、感じてもらう和菓子です。旬の素材を使うことはもちろんですが、菓子そのものの中に季節感があるという点で、和菓子に並ぶ食べ物はありません。

 

そろそろ桜の便りが届くかなという頃になると、桜餅や桜の花をかたどった生菓子が並び、和菓子店に華やかな春の気配が漂います。夏になれば水の流れ、秋には紅葉の野山、冬には雪の静けさや木漏れ日の暖かさを表現した和菓子が登場します。

 

そして9月に食べる和菓子として代表的なものが「おはぎ」で、彼岸の時に食べるお菓子として広く知られています。

 

餡の小豆の皮が点々と散っている様子が、小さな萩の花が咲き乱れる様子に似ていることから「萩の餅」「萩の花」と呼ばれていたものを(中世の宮中の)女官などの言葉使いで「おはぎ」と呼んだことに由来するといわれています。


実は日本ほど見事な四季に抱かれ、またそれを感じ取る文化を持つ国はないのではないでしょうか。和菓子は季節を大切にしているのですね~日本に生まれて幸せです(笑)

 

最後に、人の手技で和菓子をつくるということは、ある意味で絵画や書と同じように、つくり手の個性が発揮されるものです。和菓子職人さんは、自然の風物などを、自分の感性で感じとり、和菓子に表現するのですから、大変です。

 

同じ菓銘でも、店によって違う風情、違う味わいのものが並ぶわけですから、好みに合わせて選ぶことができます。違いを探して和菓子店を訪ね歩くことも、そして一軒のなじみの店に通い続けて小さな発見を重ねていくことも、和菓子の楽しみ方ですね。

 

本日も来て下さって読んで頂きありがとうございました、心より感謝しています。