ハッジ(※メッカへの巡礼) 「内なるジハード(※大ジハード)」であり、殉教者は天国に行けるとはいえ、

苦しみのなかで、愛する家族とお別れしなくてはならなくなった方々と遺族の悲しみは深いでしょう。





サウジアラビアが猛暑に見舞われており、イスラム教の聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)をしていて死亡した人が1000人を超えたと、AFP通信が20日報じた。巡礼者の多いエジプトでは、旅行ブローカーに対する批判も出ている。


BBCは、AFP通信の報道内容を確認できていない。

死者の国籍は20カ国以上で、エジプトが最も多いとされる。


AFP通信によると、メッカの聖モスク付近で今週、最高気温52度を観測したと、サウジアラビアの国立気象センターが発表した。


同国当局は巡礼者に水を配り、暑さが最も厳しい午前10時から午後4時までは屋外に出ないよう呼びかけている。


大巡礼ではこれまでも死者が出ていたが、圧死や火災が原因となることが多かった。


エジプト当局は、死亡した同国の巡礼者の多くは登録されておらず、死者数を公式に確定するのは困難だとしている。同国外務省は、死者の身元確認と遺族への連絡には、時間と労力が必要だとしている。


大巡礼はイスラム教徒の義務とされ、経済的、肉体的に可能であれば、一生に一度は行うべきとされる。巡礼によって罪が清められると信じられている。


毎年恒例の宗教行事としては世界最大級。今年はこれまでに200万人近い巡礼者がメッカを訪れている。

巡礼旅行ブローカーへの批判

巡礼者の中には、大巡礼のための正式なビザ(査証)を取得せず、観光ビザなどでメッカを訪れる人が何十万人もいるとされる。


サウジアラビア当局は、そうした非公式の巡礼を規則違反とみなしている。ただ、正式な巡礼者ビザの取得には費用がかかったり、手続きが複雑になったりすることもある。


大巡礼の旅をアレンジするブローカーに関する問題も、報告されている。


エジプトでは、正規の方法で大巡礼に参加するには1人あたり約6000ドル(約95万円)かかる。しかし、エジプトの巡礼者は貧しい村の住民が多い。


エフェンディヤさん(70)の息子によると、エフェンディヤさんは正規費用の半額で五つ星のサービスを約束する地元ブローカーに金を払って参加した。費用は宝石を売るなどして工面したという。


しかし、現実は約束とまったく違っていたという。


巡礼者は通常、エアコン空調の効いたテントに泊まり、聖地間をバスで移動し、医療措置を提供される。


エフェンディヤさんの息子によると、エフェンディヤさんら未登録の巡礼者たちは、「そうした設備はまったくなく、完全に見捨てられていた」。そのため、ベッドシーツでテントを作り、熱波から身を守ろうとしていたという。


結局、エフェンディヤさんは祈りの最中に亡くなったという。


彼女の家族によると、巡礼旅行を手配したブローカーとは連絡が取れなくなったという。