北朝鮮で撮影されたとされる1本の動画が、大きな波紋を広げつつある。


石碑に近づく白い上着を着た人物。


動画からは、荒い息遣いが聞こえてくる。


この石碑は、金正恩総書記の祖父にあたる初代最高指導者・金日成主席の功績をたたえるもの。


石碑の前に立つ人物は、周囲を気にしながら頃合いを見計らっているように見える。


すると次の瞬間、墨汁のようなものを石碑に4回振りかけ、逃走した。


石碑は無残に汚された。


この衝撃的な動画には、さらに「荒唐無稽な首領の神格化を国のあちこちに植えつけて、墓石よりも多くなった金家の痕跡をこれから我々が破壊する。“新朝鮮”の大掃除が始まった」と驚きのメッセージが添えられていた。

この動画は、海外を拠点に活動する“新朝鮮”という名の団体に送られた後、SNSで拡散したという。


その団体の声明文には、「今や、世間知らずの娘まで前面に出す金正恩の振る舞いを見て、全人民は怒りに震えている。金家、世襲の命を絶つために喜んで命を捧げることを決意した」とあった。


韓国の情報機関、国家情報院は、「この“新朝鮮”なる団体について認知はしているが、運営主体や規模などは把握できていない」としている。


一方で、北朝鮮に詳しい龍谷大学の李相哲教授は、「この団体の協力者が北朝鮮側にいるのではないか」と推測する。また、「北朝鮮内部で、石碑とか記念物に墨をかけたりする映像は初めてではないか。なぜかというと、金一族と関係のある記念物は、常に誰かが見張っているから。そんな中で(今回)映像まで撮っている。これは協力者がないとできないこと」と話した。


6月12日には、かつて外交官を目指したものの、北朝鮮から亡命したという男性が国連の安全保障理事会に出席し、「金一族は自らの権力や富を築くためだけに人々の自由を否定する独裁者」と非難。


反金一族の動きは、北朝鮮内外で高まりを見せていくことになるのだろうか。




金一族と関係のある記念物は、常に誰かが見張っているから。そんな中で(今回)映像まで撮っている。これは協力者がないとできないこと

この動画が本当に北朝鮮で撮影されたものだとすれば、体制の崩壊も近いのかもしれませんね。




 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の体制打倒を訴える団体が、ユーチューブに平壌で撮影したとする動画をアップして注目を集めている。団体は「新朝鮮」を自称し、北朝鮮内外に関係者がいると主張しているが、動画の真偽や団体の詳細は不明だ。


 「平壌から送られてきた映像」とのタイトルを付けた動画では、「墓石碑より多くなった金家の痕跡をこれから我々が破壊する」との字幕が流れた後、男性が石碑のようなものに黒い液体を振りかける様子が映っている。5月18日の映像だとして、最後に「(北)朝鮮の大掃除が始まった」との字幕が流れる。男性の顔にはモザイク処理がされている。