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ウクライナ軍は「クリンキ近辺に無人航空機(UAV)を大規模に投入している」と、ウクライナのシンクタンクの防衛戦略センターは説明する。「電子戦部隊が敵のUAV使用を妨害している」。
クリンキでの戦闘について、ウクライナと外国のメディアは昨年12月、ウクライナ軍第35旅団の海兵隊員にとって「自殺任務」のようなものだと報じた。だが実際には、持ち堪えられないほどの死者を出しているのはロシア軍の方で、第810海兵旅団、第104親衛空挺師団、そして陸軍付属部隊の兵士が犠牲となっている。
Sladkov talks about a difficult situation for Russians on the Dnieper shores: Ukraine concentrated a powerful EW and drone group there. Goes into some historical cringe at the end.https://t.co/mGjevUnZRZ pic.twitter.com/Tf7irRXP2O
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) 2024年1月4日
ウクライナ軍がクリンキ周辺に配備している電子戦システムの詳細ははっきりしないが、推測は可能だ。ロシア軍が2014年にウクライナ東部ドンバス地方の上空で始めたドローン作戦を受けて、ウクライナ企業プロキシマスは「ブコベルAD」というトラック搭載型のジャマー(電波妨害装置)を新たに開発した。
この5万ドル(約720万円)のシステムは、周囲約100kmのドローンを探知することができ、50km程度まで近づくとドローンと地上の操縦士をつなぐ無線にスクランブルをかける。
ウクライナ軍は2021年には数十基のブコベルADを保有していたと報じられている。ロシア軍の攻撃でそのうちのいくつかは破壊されたが、プロキシマスが代替システムの構築と全体的な戦力拡大に必死に取り組んでいるのは間違いない。ウクライナは、外国の同盟国から入手した詳細不明のジャマーでブコベルADを補強している。
もちろん、ロシア軍も独自のジャマーを保有している。だが、ウクライナ軍は計画的に大型装置を標的にしている。また、ロシア軍の乗員が戦車や戦闘車両に取り付けているバックパック型のRP-377のような小型の電子戦システムは、数十mの範囲でしか機能しないようだ。
ソーシャルメディアには、ウクライナ軍のFPVドローンがRP-377を搭載した車両を攻撃するところをとらえた動画が多数出回っている。少なくとも1つのケースでは、ドローンが車両に取り付けられたRP-377そのものを直撃している。
防衛戦略センターによると、クリンキでの戦いが始まって3カ月近くが経過したいま、ウクライナ軍はドニプロ川左岸に張り付いているだけでなく、「橋頭堡(きょうとうほ)を着実に拡大」しているという。
(forbes.com 原文)
電波妨害により 露軍 の ドローン を無力化して反撃を続ける ウクライナ軍。
スラーヴァ・ウクライーニ!!
ウクライナに栄光あれ!!
だが、ロシア海軍は違う。増強に苦慮している。その主な理由はただひとつ。大型艦を持たないウクライナ海軍が、ロシア海軍の艦船を撃沈したり、爆破したりしているためだ。
掲示板型ソーシャルサイトReddit(レディット)ユーザーのPhoenix_jzは毎年、上位10カ国の海軍の総トン数を集計・分析して公開している。このほど公開した最新の分析は、ウクライナの自由を支持する人々を勇気づけ、ロシアの侵略を支持する人々を憂慮させるに違いない。
ロシア海軍は2023年にわずか6300トン増やし、年末の総トン数は215万2000トンだった。同年にフリゲート艦やコルベット艦、掃海艇、潜水艦を新造して1万7700トン増やすはずだったが、ウクライナ軍が計1万1400トンの黒海艦隊の艦船を破壊した。
2023年に建造した艦船とほぼ同量のトン数を失ったロシア海軍は、維持がやっと、あるいは縮小している、他の不面目な海軍の仲間入りをしている。総トン数88万6000トンの英海軍も、2023年に規模を縮小させた。同海軍はかつて世界最大だったが、ここ数十年、歴代政権の失態により着実に衰退しており、これは特段目新しいことではない。
総トン数35万6000トンのイタリア海軍は縮小したが、これは主に、数隻の古い艦船の退役と、代わりに投入するはるかに大型の新しい艦船の就役の時期がずれたことによるものだ。
ロシア海軍は、戦闘で艦船を失い続けているためにほとんど規模を拡大させることができない唯一の海軍だ。この1年、黒海艦隊の「黒海での苦難は一向に減ることなく続いている」とPhoenix_jzは指摘した。
これに対してウクライナ海軍は、フリゲート艦ヘーチマン・サハイダーチヌイという1隻の大型戦艦しか持たなかった。同海軍はロシアの侵攻直後に、南部オデーサの係留地で同艦を処分。海に沈めたことで、ウクライナ海軍は空軍の大きな支援を受けながら自爆型水上ドローン(無人艇)とミサイルで戦う新しいタイプの海軍となった。
黒海艦隊は1年11カ月にわたる激戦で、巡洋艦1隻、水陸両用艦4隻、潜水艦1隻、補給艦1隻、そして数隻の哨戒艇と上陸用舟艇をウクライナ軍のドローンとミサイルによる攻撃で失った。2023年の「圧倒的に最も大きな損失は、セバストポリで乾ドックに入っていた潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーが破壊されたことだ」とPhoenix_jzは書いている。同潜水艦は3100トンもあった。
他国の海軍なら戦争での損失を埋め合わせることができるかもしれないが、ロシアの造船部門はソ連の終焉とともに崩壊した。まだ残っている造船産業が、ウクライナから輸入していた船舶用エンジンに頼っていたことも災いしている。ウクライナは当然のことながらロシアにエンジンを売る気はない。
そのため、世界をリードする米海軍の総トン数が2023年に3万2000トン増えて739万3000トンに、急成長中の中国海軍が5万トン増の289万9000トンになったのに対し、ロシア海軍の総トン数はほとんど増えていない。
すべてウクライナ海軍が理由だ。大型艦を持たない同海軍は、ロシアがなんとか建造しているのとほぼ同じトン数の艦船を破壊し続けている。
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