ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、北東部ハリコフ州を訪問し、前線の兵士らを激励した。大統領府が発表した。現地メディアによると、ロシアの侵攻開始後、ゼレンスキー氏が首都キーウ(キエフ)周辺から出るのは初めて。
ロイター通信によれば、州都ハリコフでは大統領訪問の数時間後に爆発音が聞こえ、黒煙が上ったが、訪問との関連は不明。
ロシア軍は北部キーウ州から撤退、ハリコフ州の制圧にも失敗し、東部ドンバス地方の親ロシア派支配地域拡大にシフトした。ゼレンスキー氏は、侵攻前の境界線に戻すことを当面の「勝利」の目標に掲げており、兵士らを鼓舞した。
ロシア軍は東部ルガンスク州で、残る要衝セベロドネツクへの猛攻を継続。隣のハリコフ州でも「31%」(シネグボフ知事)を占領している。ゼレンスキー氏は「命を懸け、独立を守るために戦う兵士らに感謝したい」とねぎらった。(2022/05/30-04:52)