平成中期は、東宮ご一家に対する風当たりがキツかったのと比較して、
秋篠宮ご一家に対する評価は、決して悪くありませんでした。

むしろ、過度に持ち上げられ過ぎていたように記憶しています。

しかも、それらは全て秋篠宮ご一家の意思とは関係なく、第三者によって仕込まれたものでありました。

平成16年に、皇太子殿下(※今上天皇陛下)が、雅子さまへの『人格否定の動き』があったことに言及され、
それが、メディアを通じて内外でセンセーショナルに取り上げられました。

対象こそ、特定されることはありませんでしたが、
マスゴミ関係者や、一部の宮内庁職員なんかは、明らかに自分達が責められていると 殿下に逆恨みする者も現れたことは前にも触れた通りであります。

そして、連中が自分達を正当化するために利用したのが、秋篠宮殿下の『ご発言』でありました。


平成16年11月29日
秋篠宮文仁親王の記者会見

【皇太子の人格否定発言に関する意見】
「記者会見という場で発言する前に、せめて陛下と内容について話をして、そのうえでの話であるべきではなかったかと思っております」

【時代に即した新しい公務に関する意見】
「私個人としては自分のための公務はつくらない。公務は、かなり受け身的なものと考えています」

「依頼を受けて、意義のあることであればその務めをする。私自身はそう考えて今までずっと来ています」

秋篠宮殿下は、記者の質問に対してご自分の意見を表明されたに過ぎず、
別に、皇太子殿下を貶める意図はなかったと思います。

それでも、連中は『皇太子 VS 秋篠宮』を演出し、
秋篠宮殿下を持ち上げて皇太子殿下を貶めることによって、自らの保身を図ろうとしました。

そして、極めつけは『廃太子』を主張する者まで現れる始末……。

当時は、皇太子殿下よりも秋篠宮殿下の方が次期天皇に相応しいという意見も、決して珍しくありませんでした。

皇室に対する敬愛の念に乏しい 単なるポピュリストにとっては、
自ら意見を表明する皇太子よりも、秋篠宮の方が自分達にとって都合よく動いてくれると考えたのでしょう。

そして、長男の悠仁親王殿下のご誕生。

その後も、秋篠宮家の長女眞子内親王殿下が平成23年に成年に達せられ、
続いて次女の佳子内親王殿下が平成26年に成年達せられ、
御二方とも、皇族として公務に携わられるようになりました。

秋篠宮家の内親王殿下お二方と比較され、
雅子さまと愛子さまが、あたかも公務をサボっているかのような不当な評価がなされるようにもなりました。

雅子さまは体調が優れないこともありましたが、べつに公務をサボっていたわけではありませんでしたし、
そもそも当時の愛子さまは まだ未成年。

悪質な印象操作としか言い様のないものでありましたが、
それでも、事情を知らない人々はアッサリと騙されてしまっていました。

そんな秋篠宮殿下に対する評価が一変したのは、わりと最近の話でした。


秋篠宮殿下は、かつて「公務は受け身のもの」とされたものの、
平成の末頃は、自らの意思に基づいて行動されるケースが目立つようになりました。

上皇陛下が譲位(※当時は『生前退位』と報道されていた) のご意志を公式に表明されるより前に、
秋篠宮殿下は、西ヶ廣 渉 宮務主管(※当時) を通じてNHK記者と面会されていたのです。

それが、後の『生前退位』の報道に繋がったわけで、
当初は、譲位を認めることに対して消極的で、あくまで『公務の負担軽減』でやり過ごそうとしていた官邸や政権の取り巻きからしてみれば、
秋篠宮殿下が『厄介な存在』となったのは言うまでもありません。

そして、皇太子殿下の即位に伴い、秋篠宮殿下が皇位継承順位第1位になりましたが、
秋篠宮殿下は、自らが皇太子になる意思がないことを明らかにされ、それによって『皇嗣』が秋篠宮殿下に対する固有名詞となることにもつながったわけです。

そして、長女眞子さまとの婚約が内定していた小室圭さんの母親と元交際相手の男性と金銭トラブルが起きていることが明らかにされたことが、秋篠宮家の教育方針に対する批判へとつながりました。

平成30年11月30日に秋篠宮殿下がお誕生日の記者会見のなかで、
大嘗祭に対する国費の使用が『憲法違反』の疑いがある旨を表明されたことは、まさに青天の霹靂でありました。

これらの事態を目の当たりにしたことによって、
それまで秋篠宮殿下を持ち上げ、皇太子ご一家を誹謗していた者達も、自分達の思惑通りに動かなくなった秋篠宮殿下に対する興味を次第に失い、
それ以来、攻撃対象を皇太子ご一家から秋篠宮ご一家に変更するようになったというわけであります。

何度も言うように、あのような評価のされ方は 秋篠宮殿下のご意志とは関係なく、外野が勝手に秋篠宮ご一家を持ち上げただけのことであり、
それは、殿下にとっも不本意なものであったに違いありません。

秋篠宮ご一家は、東宮ご一家と同様に、
身勝手で無責任な大衆のエゴの被害者だと言っても過言ではありません。