我が国に於いて元号が採用されたのは、
皇極天皇4年6月19日
ユリウス歴645年7月17日 です。
現在も元号を採用しているのは日本のみとなりましたが、それでも独自の紀年法を採用している国は他にも存在します。
中華民国が成立した西暦1912年を元年とする『民国暦』は、現在も台湾で使用されています。
上の写真は、台湾のセブンイレブンのレシートですが、
民国108年 は、
西暦2019年 となります。
しかも、この『民国○○年』の表記は、公共交通機関の切符の日付や、食料品の賞味期限等の表記としても使用されているため、連休を利用して台湾に旅行に行く予定のある方は注意が必要です。
↓↓
08.05.05 → 19.05.05
(民国108年) (西暦2019年)
タイをはじめとする『仏暦』を採用する国に於いても、国によってその表記が異なる場合があります。
ミャンマー、スリランカでは、お釈迦様が涅槃(※亡くなられた)に入られた西暦紀元前544年から数えますが、
タイ、カンボジア、ラオスの紀年法では、翌年の西暦紀元前543年から数えるものを採用しています。
そして、同じ仏暦でも『太陽暦(※グレゴリオ暦)』との整合性を合わせたものと、
それ以前からの『太陰暦』そのままに数えるよるものとの間にも、かなりの差があったりします。
他にも、イスラム世界に於ける『ヒジュラ暦』、イスラエル国やユダヤ人の間では『ユダヤ暦』が使用されています。
キリスト教文化圏であっても、教派の違いによっては、西暦とは別の紀年法を採用している地域もあります。
そもそも陰暦だったり、独自のカレンダーを採用している場合もあり、結構バラバラだったりします。
そして、君主の在位期間を1つの時代をあらわす『元号』のような文化は、日本以外にも存在します。
産業革命などによって、大英帝国が一番繁栄した時代のことを、ヴィクトリア女王の在位期間を指して内外に於いて『ヴィクトリア朝時代』と表されることもあります。
こうやって色々調べてみると、なかなか面白いものですね。
そして、
元号廃止論者に物申す!!
別に、西暦表記を否定するつもりはありませんし、統一の紀年法を採用した方が便利であるという意見にも一理あるとは思います。
ですが、キリスト教徒ではない私にとっては、西暦は『単なる道具』に過ぎませんので、それほど思い入れを感じることはありません。
一方で、元号に関しては『文化』であり、独自性を維持していることに誇りすら感じています。
そして、日本以外の国や地域においても、上に挙げたように独自性があるわけで、
何でもかんでも同化するのがグローバリズムではなく、
それぞれの独自性、文化の多様性を認めた上で協調し合うグローバリズムもありますし、その方が良いと思います。
元号が嫌いだというのは、それはそれで勝手ですが、
それはあなた個人の意見に過ぎません。
「個人的に嫌だ」というなら、まだ聞けますが、さも自分が民意を代表しているかのような言い方は、ハッキリ言って不愉快です。
どうしても元号を廃止しなければならないものなのでしょうか?
不便だというなら、西暦との併記など妥協点もあるでしょう?
元号法も、国旗国歌法も、日本の民主主義によって制定されたものですから、先ず、その結果を尊重してもらわないと。
そもそも「西暦は良くて、元号はダメ」という人に関しては、
よほど、狭い世界でしか生きてこなかったんだろうな(笑) というのが、率直な感想であります。