かなり久しぶりの投稿になります。私事やダイヤ改正関連であちこちに記録をしに行って更新を滞っていたらいつのまにか半年を経過しておりました。先日、西武鉄道より驚く発表がありました。
西武HD HPより引用
もう既に話題になっておりますが、西武鉄道が他社からの譲受車両、「サステナ車両」を導入するとの事です。最初は総合車両製作所製のステンレス車両「サスティナ」と間違えました…。まさかの大手私鉄である西武鉄道が他社に譲渡するならともかく、西武鉄道自身が他社から鉄道車両を譲受するとのことで、かなり驚きました。
西武鉄道は保有車両適正化の為に新造車両と合わせて無塗装車体、VVVFインバータ制御等の他社からの譲受車両を西武独自の呼称としてサステナ車両を導入し、省エネ化を図っていくとの事です。ちなみに置き換え対象の車両は
新101系 抵抗制御の3扉車で、ワンマン化対応となっており、多摩川線、狭山線で活躍中。
2000系 界磁チョッパ制御の西武鉄道初の4扉車で、新宿線・拝島線を中心に活躍していますが廃車が進んでいます。
新2000系 2000系のモデルチェンジ版として池袋線・新宿線などの本線系統を中心に幅広く活躍する西武鉄道の主力車両ですが、こちらも廃車が進行しています。
4000系 101系と同じ足回りの2扉クロスシート車で池袋・秩父線飯能〜西武秩父で活躍し、秩父鉄道にも直通できます。
いずれも西武の代名詞的存在の黄色い電車が中心に置き換え対象になっているようで、サステナ車両の導入先は池袋・新宿線のような本線系統ではなく枝線系統に導入されるようです。
ちなみに現在の多摩湖線には9000系という101系からの機器流用車がいますが、こちらはVVVFインバータに改造されている為、すぐに置き換えられる対象ではないようです。
大手私鉄の譲受車といえば、名鉄が東急から車両を譲受し混雑が悪化していた犬山線の通勤ラッシュに大活躍したほか、近年では南海電鉄が直通運転先である泉北高速鉄道から3000系(南海車両とほぼ同型ですが)を譲受し、南海本線で活躍中といった例が少なからずあります。コロナ禍による経営上の理由などあるのでしょうか、このような事態になるなど夢にも思いませんでした。
さて、気になる譲受車両ですが現在複数の鉄道会社と協議中のようです。さらに西武鉄道はJR東日本と運用面の連携施策を検討するとの記述もありましたので、それらを含めてどのような車両が譲受されるのか私で勝手に予想していきたいと思います。なお、この件に関して鉄道会社などの問い合わせは絶対におやめください。
導入車両予想(JR東日本編)
西武鉄道は中央線武蔵境駅を起点に是政駅までの多摩川線を運行しており、現在101系で運用中です。
101系が整備工場で点検を受ける際にはJR貨物の機関車に牽引されてJR線を回送し、新秋津駅の連絡線で西武に引き渡すという八王子駅での方向転換を含めて手間の掛かる作業を行っております。(多摩川線に向かわせる場合は逆の手順)
この作業を削るためにJR形車両を導入し、検査をJRに委託するという省力化が行われるのでは?と予想しました。
①東京臨海高速鉄道りんかい線70-000形
1996年新木場〜東京テレポート開業時に導入された車両で、当初は4両編成でしたが路線が延伸すると共に編成を伸ばし大崎開業時には10両編成となり現在に至ります。基本的な仕様はJR東日本209系と同型で定期検査もJR東日本に委託しています。2024年度に新型車両導入が発表され置き換えが決定しました。この置き換えられた70-000形が4両編成に組み換え、多摩川線等に導入されるのでしょうか?
②JR東日本209系3100番台
八高線・川越線(川越〜高麗川〜八王子)用として、りんかい線70-000形が10両編成化の際に余剰になった車両がJR東日本に譲渡されるという珍しい形態の車両です。不足する電動車は新造され4両編成に組み直し、2編成が活躍していましたが、八高線・川越線のワンマン化により2022年3月改正前に引退しました。引退後に1編成は2022年5月に郡山総合車両センターに送られましたが、もう1編成は大宮総合車両センターに留置されたままとなっています。先程りんかい線車両を例に挙げましたが、サステナ車両は2023年度以降導入とのことなのでりんかい線車両の廃車時期に合わないので、こちらが先陣を切るのでしょうか?
③209系2000・2100番台
京浜東北線で活躍していた車両を房総地区向けに改造された車両です。先頭車にクロスシートが設置され、中間車にはトイレも設置され長距離乗車にも向いております。2022年に伊豆急行に譲渡され3000系として活躍している車両もいます。
こちらは多摩川線ではなく、4000系が活躍する秩父線かな?と予想しました。ただ秩父線は急勾配が多い線区なのでモーター出力の低い209系は走れない事はないでしょうが苦労しそうな事と、直通運転を行っている秩父鉄道ではVVVFインバータの車両が誘導障害を起こしてしまう可能性があるということを聞いたので対策が必要だと思われます。
④E231系
現在も総武線などの首都圏で幅広く活躍している車両ですが、後継車両の登場により短編成化を行い八高線・川越線などに転属しワンマン運転も行っています。今のところE231系列の置き換えは無いようですが、可能性としてあげておきます。
導入車両予想(地下鉄・私鉄編)
①都営地下鉄6300形
1993年から6000形置き換えの為三田線用として登場した車両です。2022年5月より新型車両6500形がデビューし、初期に製造された13編成が置き換えられる事になりました。製造から30年近く経っている為決して新しい車両ではありませんが、修繕すれば国分寺線でも活躍出来るかと思います。しかし、京王重機が廃車に向けた機器取り外しの入札を落札したらしいので可能性は低いかもしれません。
②東急9000系
1986年から1991年まで製造され東横線・大井町線で活躍してきましたが、副都心線直通運転開始に伴い全編成が大井町線に転属して現在に至ります。2023年頃から新型車両導入による置き換えが発表されました。可能性はどちらとも言えないですが、4両編成に組めば枝線でも運用できそうですし、サステナ車両導入時期と合致するのでもしかしたらと思い挙げました。
③小田急電鉄1000形
1987年から1993年までに製造された車両で、旧型車を置き換え地下鉄直通運用にも付いていましたが、後継車両にその座を譲り5000形等を置き換え長く地上線用車両として活躍してきました。2014年からリニューアル工事が始まり機器更新も行われましたが、更新を受けてない一部の車両の廃車も始まりました。ただこの車両に関しては小田急に詳しい方によると譲渡するにしても機器更新が必要になるので、その手間を考えると西武としてのメリットは少ないと思われるとの事です。とても納得できる理由でしたが、私としては期待してたのでちょっと残念ですね。
④東京メトロ8000系
1980年から1994年にかけて登場した半蔵門線用の車両です。登場時は電機子チョッパ制御でしたが現在は全編成VVVFインバータ制御になっています。2021年から新型車両18000系がデビューにより廃車が始まっています。西武鉄道は東京メトロ有楽町線・副都心線と相互直通運転を行なっており、同線で活躍していた7000系(2022年4月引退)は8000系とほぼ同型なので、運転面で西武鉄道で運用するのも比較的容易かと思います。というか、それなら東京メトロから7000系を譲受すればよかったのでは?と思いましたが、タイミングが合わなかったのでしょうかね…。
さて、以上何点か候補の車両を挙げさせてもらいました。全く違う車両の可能性もありますが、そう遠くないうちに西武鉄道からも発表があるから分かるでしょうが、それまで楽しみにしています。本当は完全な新型車両の方がいいですけどね。早くコロナが収まればいいですが。
それでは長くなってしまいましたが、ここまで見ていただきありがとうございました。