昔から指摘されていた外交特権の弊害。
人を殺してもおとがめなし。
いわんや駐車違反など。
まあ、国家としての品格がない国に何を言っても蛙の面に小便なのだが・・・。
以下は2023年4月17日のYAHOOニュース(デイリー新潮)記事抜粋。
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ピカピカのランドセルを背負った子供たちが通学する季節がやってきた。
交通事故を心配する親御さんも多かろうが、街中を我が物顔で走る「外交官ナンバー」の脅威をご存じか。
この問題を長年取材してきたジャーナリストが告発する「外交特権」の実態である。
都心でも指折りの一等地周辺には大使館が多く、各国の外交官らが使う車両の路上駐車が目につく。
なぜ外交官の車と分かるのかといえば、彼らは日本政府から「外交官ナンバー」のプレートを割り当てられているからだ。
プレートの塗装は一般車とは異なり「青色」で、数字の前にある「外」という頭文字がひときわ異彩を放っている。
もちろん外交官ナンバーを付けた車でも我々と同じく違法な路上駐車をすれば、「駐車違反」と書かれた黄色のステッカーが駐車監視員によってフロントガラスに貼られる。
だが、六本木の飲食店前の大通りに堂々と放置駐車していた南アジアのナンバーの運転手を直撃すると、 「だから何? そこで食事していたんだ。で? 安全じゃないのは分かっている。気にしないね、駐車場がないのだから」 と、まったく悪びれる様子はない。
さらに食い下がって質問すると「名刺をよこせ! 訴えてやる!」とすごんでくる有様だった。
■日本における最強の特権とは
これまでわれわれの取材班が独自に報じてきた「外交官ナンバー問題」では、日本に集うさまざまな国の大使館を取材することとなったが、特に目立ったのが、「外-79○○」というナンバーで識別できるロシア大使館に関係する車両の“無法ぶり”である。
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■特権を悪用する国が
「外交特権」と聞くと映画やドラマの世界の話かと思うかもしれないが、冒頭で紹介したように、都会の公道など身近な場所で行使されているのが実情である。
さらには特権を「悪用」する国があるのだから看過できない問題なのだ。
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■1年間で6千万円が踏み倒されたという試算
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外交官は外交特権により違反金を支払わなくてもおとがめはないし、5年がたてば時効を迎える。
つまりは「踏み倒し」が可能なのだ。
その実態は、私たち取材班が当局への情報公開請求で入手した国別の「放置違反金・踏み倒し全リスト」(警察庁まとめ)で明らかとなった。
外交特権を悪用し「放置違反金」を支払わずに時効を迎えた件数(最新の21年度)は、国内に大使館などを置く155カ国のうち85カ国で、計3900件にも上ったのだ。
国内には外交官ナンバーは約2千台しかないので、件数が台数を上回っている。
外交官は「踏み倒しまくっている」と言っても過言ではない。
たとえば1件当たりの違反金を1万5千円とすると、1年間で総額約6千万円が踏み倒された計算だ。
そしてリストを見ると、とある2カ国が飛び抜けて多いのである。
【ワースト1位は?】
不名誉なワースト1位は、あのロシアで1826件。
踏み倒し件数全体の47%と、実に約半数を占めたのだ。
次いでワースト2位は中国の638件(16%)。
3位はエジプトの184件。
ロシア・中国の2カ国はリストを入手できた過去4年すべてで、ワーストのワンツーだった。
4位以下では、「旧ソ連諸国」と「中東」の国の多さが目立った。
また、G7ではドイツやフランスが目立つ一方、国内最大級の大使館を持つアメリカは25位(14件)と少ない印象だ。
イギリスは4年とも「ゼロ」で、まさに“紳士の国”だった
(各国ワーストランクは「FNNプライムオンライン」でも公開しているので参照していただきたい)。
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■酒を飲んで車に乗り込もうと…
外交官ナンバーの違法行為は、駐車違反にとどまらない。
19年6月の夜、取材班は六本木周辺で連日張り込みを続け、複数の違反車を見つけた。
ロシアのナンバーの車から降りた一人の外交官は、ためらいもなく放置駐車した後、ネオン街を歩き始めた。
すかさず後を追うと、案の定近くの飲食店に入った。
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■我が物顔で爆走
「キキーッ!」。辺りに鳴り響くブレーキの音。
外交官ナンバーの車が道路を猛スピードで走り抜けていく。
ここは都心の幹線道路である目黒通り。
朝の通勤通学時間帯は、左側の車線が「バス専用レーン」となっていて、一般車の走行が禁止されているにもかかわらず、ここを何台もの外交官ナンバーが我が物顔で爆走していたのだ。
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■車に石を投げつけられ…
山梨県富士吉田市には世界的に有名な“インスタ映え”スポットがある。
すぐそばの交差点の駐停車禁止エリアに視線を向けると、そこには東アジアの外交官ナンバーの車が停まっていた。
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地元住民である男性が、撮影に夢中になっている男に対し「車が通行の邪魔になっている」と注意したが、事もあろうに男は逆ギレし、とても大きな声で罵倒してきたという。
その男は現場から立ち去る際にさらなる行動に出た。
件の男性は「『ゴン、ゴン』という感じの音がした」ので自分の車を確認すると、傷が付いていた。
なんと、大事な車に石が投げつけられていたというのだ。
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■「大幅に改善」と語る駐日大使
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昨年11月になって我々はロシアのガルージン駐日大使を直撃する機会を得た。
場所は駐日大使離任を前にした記者会見場。
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直球質問を投げた。
「ロシアの外交官は駐車違反と踏み倒しが非常に多い。法律を守る意識が低いのか?」
恐らく予想していなかった突然の質問に対し、ガルージン大使の返答はこうだった。
「随分前のことだ。あなたの認識は2~3年遅れている。その状況は数年前にあったかもしれないが大幅に改善した。我々は日本のルールに違反する者に対しては、とても厳しくしている」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/a4c296f5a0eb15df6c93c3445cb312f94569fe29