マネージャー) メイクの人呼ぶよ
っと 入れ替わりに メイク担当が 入ってきて
早々 会見用のメイクが始まる
さっき紹介されたはずだが なにも覚えていない
打ち合わせの間中 目は涼子を追っていた
耳は涼子の声を聞き逃すまいと研ぎ澄まされていた
そのせいか 急に眠気に襲われた
メイク担当) ジヒョクさん 終わりましたが・・・
チェックお願いします
ジヒョク) ウン ありがとう
会見用の衣装に着替え 涼子を待つ
時間ピッタリに迎えにやってきた
部屋には 二人きり
涼子) 時間です ご案内いたします
ジヒョク) リョコさん・・・だよね
会いたかった・・・
会って 話したいことがイッパイあったんだけど
まさか こんなに 早く こんな形で会えるなんて
夢みたいだ
涼子) 時間です 行きましょう
ジヒョク) リョコさん・・・
涼子) ヒ・ロ・ス・エ っと呼んでください
日本では ビジネスで名前を呼ぶ時は 姓で呼ぶもの
です
気をつけてください 周りから変に思われます
ジヒョク) ゴメン 気をつけるよ
ビジネスじゃなければ いいの・・?
プライベートで会って話したい
涼子) 無理です そんな時間は取れないと思います
それに 話すことなんて・・ ありませんから
涼子の携帯に 早く来るよう知らせが入る
涼子) 行きましょう
促され 二人で 会見場へ向かうエレベーターに乗る
奥にジヒョク 入り口付近にジヒョクに背を向けて立った涼子
背中に視線を感じながら この仕事を請けた事を
いまさら 後悔した
普段は請けない不規則で拘束時間の長い仕事
ただ 会いたくて
それが 全てだった
ただそれだけで 再会した後のことを考えていなかった
私って 相変わらずだな・・・
ジヒョクも 少しも変わっていなかった
今も あの時と同じように まっすぐ涼子を見つめた
人間って 変わらないものなんだ・・・
3年の月日が 二人を変えたと
思っていたのに・・・
会見場に到着すると
人気上昇中の韓流スター登場を
マスコミが待ち構えていた
一通り ドラマに関する公式会見が 終わると
フリーの質疑応答に移った
記者からの質問に丁寧に答える
時々 涼子の方を 振り返るが
通訳することなく スムーズに対応している
最後の質問
記者) 皆さん 気になると思うんですが
女性の好みのタイプと 日本女性の感想をお願いします
ジヒョク) シッカリしてて頭の良い方 気配りが出来る女性が
スキです
それと ボクの前では 素直でかわいかったら
モット いいですね
(涼子を 振り返る)
日本の女性は 控えめでやさしい感じがします
ステキですね
会見が終わり フォトセッションの間 涼子は
距離を置いて 入り口付近で 終了するのを
待っていた
終了後 スタッフは 次の打ち合わせをしている
涼子は ジヒョクを 次の仕事まで休ませるため控え室に
再び案内するよういわれ
エレベーターへ促した
向かうときと同じ位置に立つ二人
涼子の香り 3年前と同じだった
こんなに近くにいるのに 触れることさえできない
自分を拒むように 身体を固くして立ってる後ろ姿
話したいだけなのに
あの日何があったのか
なぜ すぐにいなくなったのか
知りたいだけなのに
そして いま しあわせなら
それだけでもいい
それさえわかれば 自分も
区切りが付けられそうなんだ
一歩踏み出せる気がする
ジヒョク) こっちを向いて
ボクを見て
話したいんだ
つづく