次の【事例】を読み、下記の【設問】に答えなさい。
【事例】
X社は、譲渡制限株式のみを発行している株式会社である。x社の株主はA・B・C・D・Eの5名で、発行済株式10,000株のうち2,000株ずつを保有していた。
X社では、A・B・Cが取締役に就任して取締役会を構成しており、そのうちAが代表取締役社長に、Bが代表権のない副社長に就任していた。
平成19年に操業して以来、
X社の業績は順調に伸びてきたが、次第に経営方針をめぐってAとBとの間で対立が生ずるようになった。そこで、Aは、自らが100%出資しているY株式会社(以下、「Y社」という。)にX社の株式を大量に発行することで、Bの勢力を削ぎ、X社に対する事実上の支配権を獲得しようと考え、この計画をC・D・Eに打ち明けた。
C・D・Eの賛同が得られたが、株主総会を開催した方が良いというCの提案を受けて、Aは、株主総会を開催することとした。その際、Bに反論の機会を与えたくないという思いから、Aは、取締役会の承認を得ないまま、平成24年6月18日に、株主に対して同月22日に株主総会を開催する旨を書面で通知した。しかも、この通知には、議題として「取締役選任の件」とだけ記載された。
平成24年6月22日に、株主全員が出席して会議の開催に同意し、予定通り株主総会が開かれた。Aが議題を説明した後、取締役全員を再選する旨の議案が全員一致で可決されたので、Bが帰ろうとしていると、突然Aが、Y社に対する第三者割当増資について承認を求めたいと言い出した。Bは、招集通知には増資に関する議題が記載されていないことを理由にこれを拒もうとしたが、Aは、それを聞き入れずに、3名の公認会計士に鑑定を求めた結果、いずれもX社の株価は10,000円とするのが妥当との回答を得たので、それを発行価額として合計10,000株をY社に発行する旨の説明を行った。
BはAの提案に強く反対したが、採決が強行され、株主であるA・C・D・Eの賛成により、Y社に対する第三者割当増資は可決された。これを受けて、翌6月23日に、Y社による払込みが行われ、7月1日に増資の登記が完了した。そこで、平成24年7月10日、Bは弁護士を訪ね、本件新株発行の効力を争う方法を相談した。
【設問】
あなたがBから相談を受けた弁護士だったとして、
本件新株発行の効力を争う方法及びその効力について検討しなさい。