次の【事例】を読み、下記の【設問】に答えなさい。なお、【設問】における各小問はいずれも独立した問いである。また、【事例】中の第三契約の解除の問題および執行手続上の問題は考慮しないものとする。
【事例】
AとBは継続的な取引関係にあり、Aは主にその製造する製品の部品等をBに売り渡し、BはAが注文する商品を他の業者から調達してAに売り渡していた。AB間では、AのBに対する売掛債権の金額とBのAに対する売掛債権の金額がほぼ等しくなるように取引がなされていた。
平成24年3月19日、AはBに鉄パイプ50本を代金500万円で売り渡す契約(以下、「第一契約」という。)を結び、直ちに目的物をBに現実に引き渡したが、代金の支払期限は同年の5月末日とされた。
平成24年5月25日、BはCからその製造するボイラー機器1台を代金460万円で買い受ける契約(以下、「第二契約」という。)を結び、同月28日に、ボイラー機器1台(以下、「甲」という。)が第二契約の目的物としてCからBに現実に引き渡されたが、その代金の支払期限は平成24年7月末日とされた。第二契約の締結と同じ日に、AはBからCが製造するボイラー機器1台を代金480万円で買い受ける契約(以下、「第三契約」という。)を結び、その4日後に、甲が第三契約の目的物としてBからAに現実に引き渡されたが、その代金の支払期限は平成24年7月25日とされた。
ところが、平成24年の5月末日を過ぎても、Bは第一契約の代金債務を弁済しなかった。このため、Aは第三契約の支払いを期限到来後も留保していたが、その後、Bは第二契約に基づく代金債務についても履行遅滞に陥った。
【設問】
問1.Cは、第二契約による代金債権について、甲から優先的に弁済を受けることができるか。
問2.Cは、第二契約を解除して、Aに対して甲の引渡しを請求することができるか。
問3.Cは、第二契約による代金債権について、第三契約によるBの代金債権から優先的に弁済を受ける権利があるとしてBの代金債権うを差し押さえ、Aに対してその支払いを請求したとする。これに対して想定されるAの反論を検討しつつ、Cの請求の是非を論じなさい。