さて、4日間のNarrative Therapy(物語療法)のトレーニングを終えました。Perthのこの療法界隈?でそこそこ名の知れたセラピストのトレーニングだったのですが、兎に角この人の人となりがこの療法にマッチしていて素晴らしかったです。ぱっと見の人柄は柔らかい感じで、でも一つ一つの言葉に重みと深みがあり、少林寺拳法の師範感がありました。(って伝わりますかね?…動きがゆっくりで無駄がなく、でも敵が来ると瞬殺するイメージです。笑)
Narrative Therapy(ここからはNTと書きます)はオーストラリア・ニュージーランド発祥の心理療法です。心理療法はアメリカやヨーロッパ発祥のものが多いので、AUS&NZ発祥のものは珍しいです。この心理療法、どことなく「オーストラリアあるいはニュージーランドらしさ」があって好きなんですよね。欧米の心理療法はどことなくマッチョ感があるというか「セラピストが上の立場でクライアントを導く役割」という印象を受けるんですが、NTはどちらかというとセラピストが横に並んでいるか一歩後ろに下がっているイメージです。そもそもclientという言葉は使わず、personsという言葉を使って被治療者を指します。
NTのハイライトはexternalisation(問題の外部化)、creating & thickening preferred stories(好ましい、新しい物語の創造とその強化)とre-membering (人生に影響を及ぼしたものの視点を通して更にその新しい物語を強化する)にあります。今回レクチャーしてくれた方はこれにmeditationの手法も取り入れていて、それも新しい物語を強化することに貢献してることが良く分かりました。(これまで私が教えられてきたmeditationとはやり方が違って、感動!)…ってこんなこと書いてもなんのことやらって感じですよね。(笑)気になった方は是非NT受けてみてください!あるいはDulwich Centreのサイトから記事を読んだり、動画を見たりできます。
Friday Afternoonsの動画集の中に日本人の方が国内の家庭内暴力のホットラインで日本人女性たちに対してNTを使用したケースが紹介されいます。こちら前にも見たことあったんですが、今回見返すと「アニメのキャラクターでもre-memberingに貢献する」(ちなみにre-memberingに貢献するのは人間だけでなくペットや自然、宗教・スピリチュアリティに関連した存在などもあり得ます)ということが良く分かり、物凄く興味深かったです。またNT視点でのFDVの捉え方にも気付かされました。(自分のこれまでの見方を反省…)
私のNPO職(自死遺族支援)の同僚はNTを取り入れているカウンセラーが多く、特にre-memberingがgrief & lossやsuicide bereavementでは力を発揮すると言っていました。今回re-memberingのロープレをした際に(私がセラピストの立場)クライアント役の方が自然と涙するのを見て、re-memberingの質問の力を見ました。(ちなみに私もつられて泣きました。笑)
NTは兎に角、いかにセラピストの主観を介入させず、「はっ」と気付かされるような質問に徹する…そしてその質問に至るまでの質問も重要であると実感しました。質問そのものについて何を聞かれているのか理解するのも難しく(たぶん日本語でも分からない。笑)、かなり言語能力と自頭の良さが求められる心理療法だと思いましたが、少しずつモノにしていきたいと思います。
で!話は逸れまして…旦那の仕事で今スリランカに開発チームがいるんですが、どうやら6月に一週間ほどスリランカに行く予定らしく、私もついていっちゃおうかな~♪と考え中です。スリランカ、2012年に行って、もう一度行きたい国Top3に入るくらい好きな国…しかも今回は現地に案内してくれそうな人(でもあんまり頼ったら仕事の邪魔するなって旦那に怒られそう)もいるので超楽しみ~!まぁ旦那のスリランカ出張、定期的に発生しそうなので今回一緒に行かなくてもまた行く機会はありそうですが、楽しみだなー!ウヒヒ