先週のパースは最高気温35度でゲロ暑でしたが、今日は17度・・・雨降ってるし風は強いし、ヒートテック着用でも寒かったえーんまぁ季節の変わり目ですね。

 

 

今日はタイトル通り、アボリジニの授業を教えるインド人の先生について。(余談ですが、こちらではAboriginal and Torres Strait Islander peopleというのが正しい表現です。Indigenous peopleは差別的な表現と捉えられる場合があるので、注意が必要です。)

 

この先生、60歳の女性なのですが、本当に凄い。この2週間、インドに出張に行っているのですが、National Geographicのカンファレンスで研究発表するらしく、そのテーマは「4000年前にインドからオーストラリア大陸に移住したアボリジニについて」だそうです。有名大学の研究者たちや各国のお偉いさんを前に発表するらしく、"It is an absolute privilege that I have gotten an oppourtunity to speak in this occassion"と言っていましたニコニコ

 

このインド人の先生、20代前半でArranged marriage(つまり政略結婚?あるいはお見合い?)で旦那さんについてくるべく、オーストラリアにやってきたそうです。やってきたばかりの頃はホームシックで毎日泣いていたらしく、そんな若かりし頃の彼女の心を癒したのがアボリジニの文化で、それ以降30年以上アボリジニのコミュニティで支援活動をしています。

 

研究者としても凄い人のようで(すみません、本人から聞いた話でしかないので断定はできないのですが。笑)、ヤーガンの首の在処を見つけたのは私だったと言っていました。ヤーガンとはイギリス人が侵略してきた際に、パース周辺で暮らしていたヌンガ族の戦士で、イギリス人に服従せず、徹底的に戦った英雄として有名です。彼はイギリス人に射殺され、首を切断され、頭部が数カ月ユーカリチップで燻されたのちにイギリスに運ばれて博物館で展示されていたようです。その後、その頭部は土に埋められて在処が分からなくなったのですが、そのインド人の先生があらゆる文献や文書を漁り、最終的には場所を言い当てたそうな。何とも凄い話です。ちなみにYagan Squareがパース駅前にありますが、それはこのヤーガンから取っています。

 

また、前にもチラリと書きましたが、インドの200の農村でマイクロファイナンスのプロジェクトもしているそうです。一度世間話をした時に「私、アキュメンファンドのジャックリーン・ノボグラッツやグラミン銀行のムハンマド・ユヌスの話がとても好きなの。ぜひあなたのマイクロファイナンスの話も聞かせて」という話をしたところ、「もちろんよ、喜んで!ムハンマド・ユヌスは私の友だちなのよ、(´∀`*)ウフフ」と言われ、えええ・・・マジですかぃ滝汗となりました。(そういえば余談ですが、ムハンマドユヌスが逮捕されたニュースが出てましたが、彼は大丈夫でしょうか・・・)

 

クラスの中でも彼女が放つ一言はいつもパワーがあります。前にも書いた通り、クラスメイトは複雑な事情を抱えている人が多いですが、実際に彼女が放った言葉がクラスメイトの考え方を大きく変えた場面を、何度か目の当たりにしました。「実績だけじゃなくて、本当に思いやりや情熱がある、凄い人なんだなぁ」としみじみ思います。彼女が話すアボリジニの言葉は、発音が本当に美しく、圧倒されます。

 

そんな先生、今年の12月でインドに帰ってしまうそうで、本当に残念・・・笑い泣きでも彼女に会えただけでもCertIIIに行った甲斐があったなぁなんて思います。Diplomaに行ったらインドの農村?スラム街?を訪問する機会があるそうで、その先生にも再会できるようなので本当に楽しみ照れ

 

こんなロールモデルとなる先生にも出会えて、TAFEのCommunity Servicesに進んで良かった!と改めて思うのでした。