ーー痛い。しかし戦わねば。仲間の死を無駄にしないためにも
・・・考えろ考えろ考えろ、そして決めろ
敵はあと15人程度、そして味方もういない
魔導士同士の戦いほど厄介なものはない
「さぁ大人しく我々に従うんだな。そうすれば命だけは助けてやってもいいけど?」
「なめるなよ。たとえどんな不利な状況になろうとお前たちには従わない」
「あぁ、そうか。なら力ずくで従わせるのみ!」
「クソッ!やるしかない」
俺は戦う、戦える。目を見開き叫ぶ
「行くぞ!!!」


・・・・・


 目が覚める 何だまたあの夢か 最近同じ夢を何度も見るそれもとても鮮明に 誰かと戦う・・・

仲間を失っても戦う夢

少しの静寂と同時になぜか切ない気持ちになる
(俺もあんな風に魔法とか使えたらこのつまらない世界とお別れ出来るのにな・・・)
そんなことを考えながら毎日を過ごす 実につまらなく平凡で平和な世界だ
自分にとっては好都合なのだろうがあまりにも平凡で平和すぎる
毎日がわくわくするような世界に行ってみたいという気持ちはあるが命を懸けて怪物或いは悪者と戦うなど臆病な自分には到底できない
もし、さっきの夢のような世界になれば自分は一瞬にして死んでしまうだろう・・・

だが、行ってみたい!すごく行ってみたい
もしかしたら俺その世界で勇者とかになれちゃったりして!

 そんなことを思いながら過ごす土曜日の昼
自室でアニメを見ていた俺、剣ヶ原悠真は窓から覗いている雲を見ていた
本当に暖かくどこか切ない秋晴れ まるで自分のことを表しているようだ
「ゆーちゃん!宿題は終わったの?もうすぐご飯だから降りておいで!」
母親がそう叫ぶとハッと我に返った
「宿題!!」忘れていた。完璧にとてもきれいに忘れていた
「量多いし!終わるか分かんねぇのにやっちまった・・・」
絶望して真っ暗闇にいる俺とは対照的に怠いくらいに真っ白なノートが俺をみて嘲笑うかのようにそこにある
ーーまぁいいか。昼飯食べてからやろう。さぁ!昼飯昼飯!今日は何かなー!!

カップラーメン ・・・か

リビングに入ってすぐのテーブルの上に置いてある
「ゆーちゃん ごめんねー 今日母さんは友達とランチの約束してるの。夜には帰ってくるからそれまでお留守番よろしくね
お父さんも今日は帰ってこれないみたいだし・・・あっあと美羽がもうすぐ帰ってくるから帰ってきたら適当にご飯作ってあげてね じゃあ行ってきます♪」
美羽というのは俺の妹。可愛くて男からも人気が高いらしい

そして女からも・・・とにかくすごくかわいい

彼女はものすごくおっちょこちょいでドジだ。一言で表すと残念な猫といった感じだ

いや歩くゆるふわ系でもいいかもしれない

俺は美羽に溺愛中だ
  グゥーーと腹の虫が音を立てる 
さっきまであまりお腹は減っていなかったがいざ食べ物を目の前にすると無性に食べたくなった
昔はよく食べていたが最近は食べてないな。久しぶりに食べてみると美味いもんだな
「ごちそうさまでした」そう言って俺は部屋に戻る
部屋の前に到着すると何かの気配を感じ取り部屋の前で立ち止まった
・・・奴だ さっきまではなんともなかったがやるとなれば全力疾走で宇宙の果てまで逃亡してしまいたいという気持ちになる
こうしていても埒が開かないので思いっきり部屋のドアを開けた
昔、某ロボットアニメで寝ている間に小人が宿題をしてくれるというような話を見たことがある
そんな有り得ない可能性を胸に机に座る
真っ白だ すがすがしいほど真っ白だ 当然のことだが真っ白だ
大きなため息をついて空気を吸い込むと共に気合を入れる
「よしっ!やってやる」
黒色のシャーペンを手に取り深呼吸
そして宿題を始める
この時俺はこれから起こることを知る由もなかった