相手が誰だとか考えるまもなく蜘蛛の子を散らした一体に紛れて、校舎の裏手に回る。そこから中に入り、一気に屋上まで駆け上った。
「…く、苦しい…」
さすがに息が切れて、アスファルトだということも忘れてバタッと寝転がる。喉がゼイゼイと鳴り、心臓がドクドク血液を押し流している。
「あ、あの…っ」
と、近くで少女の声。
「手っ…はな…して、くれ、ません、かっ」
息が切れて声がぎりぎりで出ている方を向く。アスファルトの上に座り込んだ少女が、方で息をしながらにらむように将人を見ていた。
「あ、ごめん!」
我に返り右手につかんでいた腕を離す。少女はそこをさすりながら息を整えようと必死だった。
「本当に、ごめん。先生に捕まりたくない一心で…」
将人はいいわけがましいなと思いつつも体を起こした反動で謝った。
>>10へ