これまで、TOTOのほぼ全時代のライヴ動画を聴いたものをレビューしてきて思うのは、ベースとドラムの音がしっかり聴ける音源ほど、聴き応えがあるということです。

 

そこで、ドラムとベースの音から見た、自分のお気に入りのライヴ動画について、5つほど選んでみました。オーディエンス録音のものは、リズムセクションの音が聴き取りにくいことが多いので、結果的には、サウンドボード録音の音源から選ぶこととなりました。

 

まずベースについてです。

 

1つ目は、デヴィッド・ハンゲイトの時期である1980年3月の"Hydra World Tour"での東京公演です。


 

やはりこのライヴの主役は彼のベースプレイではないでしょうか。どの曲でも彼のベースがズンズンと唸りまくっていて、ルークのギターやスティーヴとデヴィッドのキーボードがかすんでしまうくらいだと思います。

 

2つ目は、マイク・ポーカロの時期である1987年2月の"Toto Fahrenheit Tour"でのパリ公演です。


 

マイクの演奏している公式ライヴ音源は、1990年の"TOTO LIVE"、1991年の"Live at Montreux 1991"、1992年の"Absolutely Live"、1999年の"Livefields"、2003年の"Live In Amsterdam"と多くありますが、これらの公式ライヴよりも彼のベースの音をしっかりと聴くことができるのがこの音源です。おかげでドライブ感のある音源となっています。

 

次にドラムについてです。

 

1つ目は、ジェフ・ポーカロの時期である1991年7月の"Toto Summer Tour"でのモントルー・ジャズ・フェスティバルでの公演です。

 

 

これは"Live At Montreux 1991"として、演奏時から20年以上のちの2016年に、公式音源化されたものです。とにかくベースとドラムの音がいいです。1990年代の公式盤ではドラムの音が生音っぽさがイマイチのものだったりするのですが、この音源はその点がすごく良くて、とても好みです。彼のドラムを楽しむと考えたら、ダントツの1位ではないでしょうか。

 

2つ目は、サイモン・フィリップスの時期である2003年2月の"Toto 25th Anniversary Tour"でのアムステルダム公演です。


 

これも"Live in Amsterdam"として公式音源化されたものですが、この動画での2つのメドレーで休みなく叩きまくるサイモンのドラムは必聴ものです。前回のブログと重複してしまいますが、この動画は間違いなく彼が主役の作品だと思います。この手数の多さと力強さ、そしてそのスタミナがすごいと思います。

 

3つ目は、シャノン・フォレストの時代の2015年11月の"TOTO World Tour 2015"の中の、スイス・バーゼルでのTVショウです。


 

この動画での彼のドラムは、パワフルでありながらしっとりとしていて、とてもTOTOにマッチしていると思いました。この動画を見て以降、彼の出ているライヴ動画では、彼のドラムを楽しみにするくらいファンになってしまいました。

 

TOTOといえばジェフ・ポーカロとデヴィッド・ハンゲイトの強固なリズムセクションがウリでスタートしたと思いますが、特に1990年代にリリースされた公式音源ではそのあたりがイマイチな造りに感じられます。


そのため、古い年代のものは加工してない非公式な音源の方が好きなものが多く、公式なものよりもよく聴いていると思います。


反面、近年リリースされた公式音源は生音重視となったのか、これらの音がしっかり聴けるものばかりなので、とても嬉しいです。