中国古代の養生法をご紹介します。
 

これは甩手功(すわいそう)という気功法です。

簡単に見えますが、本当は結構難しい技法です。

ただ、様々な効果があると昔から中国では高く評価されています。

やり方は流派によって多少異なることもありますが、ここでは私が昔習った方法を。

 

甩(ピンイン・shuǎi)というのは、

解き放すとか、振り切るとか、振り捨てる、という意味です。

形の上では、両手を振るわけですが、「何を」解き放つのか、捨て切るのか、振り捨てるのか、が大事なポイントです。

 

中国医学では、気・血・水の3条件を重視します。

この3要素について、清濁とか体内バランスなどを考えるわけです。

 

例えば、血液検査をして高脂血症だとか血糖値が高いとか、コレステロールが、、等々と指摘を受けているなら、それは血液が「清」ではないといっていいかも知れません。これと同じことが「気」にも言えるのです。

 

一日500回やっても疲れただけで何も変化がないという人も結構いますが、それは正しく出来ていないのかもしれません。単に手を振る運動としてだけなら、ラジオ体操の親戚みたいなレベルなので、本来の効果を得られないでしょう。

 

  

 

肩幅の広さに足を開き、膝を弛めて立ちます。

脱力しますが、背中が丸くならないように。

踵は浮かないようにし、つま先は床を推すような気持ちで。

 

手の指先に血流のジンジン感を感じられたら、軽くややゆっくりと両手を後ろに振ります。

そしてその振り戻しで自然に両手が前方に上がるようにします。

 

力を入れないように。目はゆったりと前方に向けます。

手の指先から邪気というか、濁った気を放出するような感覚で行います。

最初は60回くらいから。少しずつ無理せずに100回くらいを目途にして行います。

濁った気を取り除き、全身の気血水のバランスを整えます。

 

掌は上向きでも下向きでも構いません。

効用は少し異なりますが、やり易い方で結構です。

 

手を振ることが主目的ではなく、しっかりと両足を根を張るように安定させ、全身の経絡を揺りほぐすように意識すること。

 

(ご病気や体調不良等の方は、医師に相談されてからがいいと思います)

つづく