『詩の妙旨を説いた言葉に、
詩は目の前に見える景色を写し、
ふだん用いる景色を写し、
ふだん用いる言葉で述べるというのがある。
思うに、最も高遠な真理は、
最も平凡なものの中に宿っているものであり、
最も至難な理論は、
最も平易なものの中から出てくるものである。
詩によってたとえると、
ことさらに意を用いて技巧を加えたものは、
かえって真実に遠ざかるものであり、
無心なものの方が、
かえって自然と真実に近づくものである。』
「菜根譚」明徳出版社刊、中国古典新書より
平凡でいる事は、実はとても非凡なことだと思います。
別項に
「大過なく生涯を過ごすことができれば、それが即ち功名である。」
ともあるように、長く生きていると、平々凡々であることの難しさを痛感します。
波乱万丈の人生は、映画の中だけでいいかもしれません。