ヘッセの代表作ともいえる「シッダールタ Siddhartha」は1972年に映画化され、72年ヴェネチア映画祭銀獅子賞に輝きました。

新潮文庫でヘッセの原作を読まれた方には、かなり物足りないかもしれませんが、映画だけ見るならば、まあまあの出来に仕上がっているかなと思います。

ただキリスト教文化圏で、原始仏教の思想に近いこの原作の奥深さが、どれだけ理解されたのかやや疑問ですが、欧米ではこの「シッダールタ」がヘッセの最高傑作だと、とても高い評価を受けています。

もしヘッセの「シッダールタ」を読まれる機会がありましたら、続けて「知と愛(ナルチスとゴルトムント)」も手にとられるといいでしょう。
この「知と愛」は、ヘッセが「シッダールタ」で語りきれなかった部分を、実に上手く表現しています。