柔らかな頬

                                ☆☆☆☆



ヤラレタ爆弾



読み終わった直後の感想はこうだった。


カンゼンニ、ヤラレタ



私はグロテスクに続いて読んだこの本で


桐野夏生ワールドに頭のてっぺんから足の先まで


ずぶずぶに浸かって溺れてしまった恋の矢



amazonで全作品を大人買いしようと思ったけれど


野原野枝実や桐野夏子というペンネームで書いている作品もあり


ものすごい数に・・・


やはり、今までどおり浜松町の“dan”で少しずつ買い貯めて行こうと思う。


しかも、全作読破を目指します!!



大型連休にならなかった今年のゴールデンウィーク。


数年前、今井浜温泉に行こうとして大渋滞にはまり


行きは7時間半、帰りは9時間という恐るべき移動時間を費やした。


ハワイかっ波


膀胱炎勃発ですよ!


小田原過ぎて真鶴に向かう橋の上で


放尿プレイに目覚めるトコでしたよ。・°・(ノД`)・°・


まあ、その苦い経験からGW遠出恐怖症になっちまいまして


飲むワインか読む本か、酒か桐野夏生か、の休みにしようと


ココロに決めました。


今から楽しみアップ



本作ですが、99年・第121回直木賞受賞作。


故郷から逃げ出したカスミの愛娘が


奇しくも捨てたはずの北海道の地で行方不明になる。


母親ということを捨て、一瞬でも女として生きる道を夢見てしまった


自分への十字架。


流れる時の中で徐々に変化していく環境・感情。


それぞれの登場人物の立場になり一緒に一喜一憂してしまいました。



白熊目線で見るかアザラシ目線に立つか。


ライオン側なのかインパラの親子なのかってヤツです。



余命半年の元刑事とカスミの二人三脚の再捜査。


消えかかる命の炎。


人が生きる事って、人の命って、


無尽蔵にあふれ出る泉のようなものでは決してないんだと。



読み終わった後、


こう、いとも簡単に桐野夏生の虜になったワケを考えていました。


だけど、その答えはすぐに見つかりました。ひらめき電球


評論家が書いたあとがきの中にあったのです。


桐野夏生の小説世界には、「救いがない」ということ。


その評論家はこう続けた


「救済というようなごまかしを、一切振り捨てたところから氏は書き出している」



馳 星周にも東野圭吾にも救いはある。


けれども桐野夏生の世界にはそれがないのだ。


そして私は気が付いた。


桐野夏生に出会うまで、唯一私のバイブルであった花村 萬月。


そういえば彼の世界にもまた、救いは存在しなかった。


                      鍵のかかった部屋

                                ☆☆☆



先日紹介したレクイエムを貸してくれた男のコのバイブル第2弾!


第1弾「レクイエム」が散々な結果に終わってしまったので


ま~ったく期待“ゼロ”からのスタートでしたDASH!


でも借りた以上、感想の一つでも述べないとなぁ・・・なんて


読み始めたのですが、意外や意外!


ペロッといけるくらい面白かったです。音譜



レクイエムに通ずる不思議ワールドは見事に健在でしたけど・・・( ´(ェ)`)



幼馴染であり、親友でもあるファンショー。


突然送られてきた彼の美しい妻からの手紙で知ったファンショーの失踪。


そして彼が残した厖大な数の、英知と経験がつまった未発表の原稿。


その原稿を捨て去る死刑執行人になるか、世に出すという遺著管理人になるか、という選択を迫られた「僕」。


失踪したファンショーの影を追っているうちに「僕」は、崩壊していく。



色々感じさせられました。得意げ


類稀な才能とカリスマ性を持った無二の親友に対する憧れと嫉妬心


わかるなぁ。。。(*゚ー゚*)



特に女同士の友情って


結婚したり子供ができたりすると、


一時中断みたいになりません?シラー



家族と友達が同じフィールドで走っているわけじゃないから


比べられないっていうのはわかるけど、


こんなコトを言ってる私ってまだまだお子チャマなんだろうな。汗



たまに「話聞いて欲しい」って電話がかかってきて


飲みに言っても、帰りの遅い旦那とDSに夢中な子供のグチ。


挙句の果てには、出産で体のラインが崩れただの


母親じゃなくって、ちゃんと女として恋したいの、だの。


聞いて欲しい話の内容、自己中すぎねぇか?ダウン


知らん!っちゅーの!爆弾


面倒くせぇ~メラメラ


超ウザいんですけど。ドクロ


激しくどうでもいいんですけど。パンチ!



10年前に山口智子、松下由樹、柳葉敏郎の三人が主演で話題になった


29歳のクリスマスを見ていた世代が


10年後、天海祐希主演のAround40~注文の多いオンナたち~を見て


ワキ汗かいてるくらい


うぜぇ~


これだから、お金と時間はオンナに使わん!と


ある日決意したんだよなぁ。プンプン



銀座のネイルサロンで


専らご執心な話題ははアラフォー(Around40)ですよ。


注文の多いオンナたち・・・


わかるぅぅぅぅぅ~アップ


って大合唱ですよ!


私はドラマに共感するより、グッドルッキングマンなのに


大根丸出しで見ててこっちが恥ずかしくなっちゃうEXILEのAKIRAと


地デジ対応できていないシワくちゃでシミだらけの大塚寧々に心を奪われてしまうのですが。あせる



しかも女同士の会話って男がいないと欲望むき出しで


チェリーボーイにでも聞かせたら


女性恐怖症になるんじゃないかっていうくらいエゲつないしなぁ。。。(°Д°;≡°Д°;)




若い頃は「若さ」という得がたいブランドに守られて


下心満点に向けられる眼差しを


さも美しい自分に向けられた当たり前の評価だと思っていたコが30代になり


今度は本物のブランド品で武装する。


中堅クラスになると、職場でちやほやされるのは


入社したてのかつての自分。


歳はとっても心は過ぎ去りし日の栄光のまま。


飲みに行ってもサイフなんか出した事すらなかったのに


後輩の、しかも男子に「姉さん、ごちそうさまです!」なんて言われる始末。


気が付けば、いつまでもかわいいかわいいってお姫様の様に扱ってくれる


金持ってる部長以上クラスが彼氏。


きっと日曜日はいいパパなんでしょ。


そして最後の言い訳は、「同じ年くらいの男って魅力ないのよね~」だって。


悲しいかな、男に頼って生きてきたものだから


歳だけとって、仕事のクオリティも、そこそこ。



去年、そのコの30歳バースティパーティに行ったら


狭い店内にいた20数人中9割が男性、そのうちの9割が元彼、(((゜д゜;)))


元彼と言ってもネットで検索かければ名前がバンバン上がってくるような


社長や局長クラスの重鎮がズラリ。


「なんでこのコの誕生日にこの人が来てるんだろう」と


?マークいっぱいになりながらオヤジたちは名刺交換をしていました。


ここまでくればもはや地獄絵図ですよ。ガーン


お前が呼ばれた理由を考えたら、隣のオヤジがいる理由もわかるだろっ。


空間に歪を感じて早々に退散させていただきました。


けど、ココロのどこかにそんな彼女に対する嫉妬心もあるのかな・・・?叫び


認めたくないものだな。



ポール・オースター好きの方には


「お前、なんの話してんだよ」ってめちゃめちゃキレられそうですが


ファンショーを探す僕の心の変化を見ていて


自分の周りの世界に思いを寄せるに至ったワケです。


しかも、本書の内容とは全くカンケーありません。


すみません・・・カゼ




                        グロテスク

                                ☆☆☆☆☆



覚えていますか?


「東電OL殺人事件」


1997年3月19日、東京都渋谷区円山町で女性の遺体が発見された殺人事件。



被害者の女性は慶應義塾大学を卒業し東京電力に初の女性総合職として入社した


30代独身のエリート社員だったが、退勤後は円山町付近で街頭に立って客を勧誘し


売春を行っていたことが捜査によって判明する。昼間は大企業の幹部社員、


夜は娼婦と全く別の顔を持っていたことで、事件後、マスコミに興味本位に大々的に


取り上げられ、被害者および家族のプライバシーをめぐり、議論が喚起された。


被害者の女性が東京電力の従業員であったのでこの名が付けられた。


そしてこの小説は、この事件を元に作られた物語なのです。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


初の5つ☆を付けさせていただきますクラッカー



以前、田中美佐子主演で話題になったドラマ「OUT」。


これも桐野夏生著だったのですが


あまり好きではなかったので今まで彼女の作品を避けていました。



大反省です。。。あせる



原作も読まず、ドラマで判断するなんて。。。


ただ、好みに左右される作品なので誰もが納得の5つ☆ではないと思います。


(誰にでもオススメな5つ☆作品のいい例はダヴィンチ・コードかな。今さらながら・・・)



というのも、タイトルから推測される通り、


かなり“グロテスク”だからです。爆弾




物語は語り手である「」と類稀なる美貌の持ち主である妹「ユリコ」、


私の同級生である学年トップの成績を誇る天才「ミツル」と


同じく同級生で、勘も容量も悪くすべての努力が裏目に出てしまう「和恵


4人の人生を追って行く。



その美しさゆえに周りに影響を及ぼし続けたユリコは


自分の事をニンフォマニアだと言った。



ニンフォマニア・・・


辞書でしらべたら女性の異常な性欲亢進。女性の色情症と書いてあった。



常にトップであることを約束されていたミツルは


東大の医学部で決して一番をとることができなかった。


エリートとして、いい女として評価されたかった和恵は


どんどん壊れていった。


そして「私」はおばさんになっても未だ処女。(←これが一番グロテスクだった叫び


40目前、とうに女としての旬が過ぎ去ったユリコと和恵は


渋谷の地蔵前で立ちんぼの売春婦に成り下がっていた。


「成り下がっていた」というコトバはこの2人を形容するのにふさわしくないかもしれない。


ユリコは言った


「男は嫌い。でもセックスは好き。和恵さんは逆でしょう」





悲しいわけでも、切ないわけでも、決して同情するわけでもないのに


途中、涙が溢れて止まりませんでした。


でも、私がハマった一番の理由は作者が選んで使う言葉たちが


とても好みにマッチングしたからです。


インテリ臭さが鼻について嫌い、と言い切った村上春樹の逆です。にひひ



前編を通して常に誰かがセックスしているんですけれど


官能小説のようなエグい表現など一切なく、


桐野夏生本人が実はセックスがあまり好きではないのでは?と感じるほどスルー。


けれど、浅すぎて情景が浮かばないなどということは決してなく


時には「私」に、「ユリコ」に、「ミツル」に、そして「和恵」に同属嫌悪の念を抱き


そのグロテスクさに目を背けたくなる程鳥肌がおっ立ちました。メラメラ




そしてこのグロテスクな世界を読み終わったあとに訪れる余韻。


その余韻に包まれながら一杯やりたいものです。ワイン



今日はいつもの浜松町ワールドトレードセンター内にある大型書店へすっ飛んで行き、


桐野夏生の「ダーク」と「柔らかな頬」を買ってきました。


しばらくは桐野夏生かぶれが続きそうですアップ




そう言えば、誰かにかぶれるのなんて花村萬月依頼です。