寝台特急サンライズ瀬戸・サンライズ出雲 〜日本国内最後の定期寝台特急〜 | ヒロンカー鉄道ブログ

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皆さん、こんにちは。

 

皆さんは「寝台列車」と聞かれたとき、どんな列車を思い浮かべますか?

大体の人はおそらく"ななつ星in九州""トランスイート四季島""トワイライトエクスプレス瑞風"といった高価なクルーズトレインを思い浮かべるでしょう。ただし、これらの列車はかなり高額料金なのに加えて運転日が限定されているため、なかなか乗れる機会がないですね。

そんな中、唯一毎日運行していて且つリーズナブルな価格で乗れる寝台列車があります。

 

 

🌠寝台特急サンライズ瀬戸

🌠寝台特急サンライズ出雲

 

首都圏〜四国・山陰地方を結ぶ寝台特急列車です。

1970〜80年代の日本では、長距離移動の際には寝台列車を含めた夜行列車に乗るということが当たり前になっていました。実際に東京駅、上野駅、大阪駅などのターミナル駅から各目的地へ向かう夜行列車が数多く発着していました。

しかし、新幹線や飛行機の台頭、高速道路網の拡大、現地での格安ホテルの開業などによって夜行列車の需要は徐々になくなっていき、その結果相次いで廃止されてしまいました。

その中で、🌠寝台特急サンライズ瀬戸・出雲は2020年(令和2年)現在でも、鉄道ファンのみならず一般の人からも根強い人気があり、日本国内で最後の定期寝台特急列車として孤軍奮闘しています。

 

 

サンライズ瀬戸・出雲について解説■

 

1998年(平成10年)7月10日、夜行列車のスピードアップと快適性向上を目的に、それまで運行されていた客車寝台特急(ブルートレイン)「瀬戸」(東京駅〜高松駅間)と「出雲」(東京駅〜出雲市駅・浜田駅間)のうち1往復を電車特急化する形で運行を開始しました。

 

両列車に使用される285系には、"サンライズエクスプレス"の愛称があり、それまでの夜行列車のイメージである青系の塗色とは一線を画した、日の出(🌅サンライズ)をイメージする赤とベージュという暖色系の明るい外観デザインとなっています。JR西日本JR東海の共同開発のもと、7両編成5本が製造され、内訳はJR西日本所属の0番台が3本(21両)、JR東海所属の3000番台が2本(14両)です。全ての編成がJR西日本で管理され、共通運用が組まれています。

また、寝台特急のスピードアップを図るため、電車特急型で製造されています。最高時速は130km/hと、在来線の列車ではトップクラスの速度を誇ります。

電車特急型の寝台車両といえば、国鉄時代に製造された581系・583系がありますが、こちらは運用に応じて車内を座席(昼行)とベッド(夜行)に転換できるのに対し、285系は夜行寝台運用に特化した個室主体の内装となっています。外観、内装、速達性、居住性などあらゆる点が評価され、1999年(平成11年)には鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しています。

 

 

🌠サンライズ瀬戸

サンライズ瀬戸は、東京駅高松駅間(804.7km)を結ぶ寝台特急で、JR東日本JR東海JR西日本JR四国と、3社以上に跨って運行される国内唯一の列車です。

絶景ポイントはなんと言っても、翌朝の瀬戸大橋を渡りながら眺められる日の出です。

GW、夏休みやお盆、年末年始などの多客期には琴平駅(下りのみ)まで延長運転されます。

◇所要時間 9時間27分(下り) 

      東京駅22時00分発

           →高松駅7時27分着

      9時間42分(上り) 

           高松駅21時26分発

           →東京駅7時8分着

 

 

🌠サンライズ出雲

サンライズ出雲は、東京駅出雲市駅間(953.6km)を結ぶ寝台特急です。恋愛成就で有名な神社出雲大社の最寄り駅である出雲市駅まで運転されることや列車の内外装から女性客の人気を得ていて、"サンライズ出雲で女子会"が開かれる程です。

多客期には、予備の1編成を使用して臨時寝台特急「サンライズ出雲91・92」号が運転される他、2018年(平成30年)9月21日には京都始発出雲市行きの「サンライズ出雲93」号が運転された実績があります。

◇所要時間 11時間58分(下り)

           東京駅22時00分発

      →出雲市駅9時58分着

      12時間17分(上り)

      出雲市駅18時51分発

      →東京駅7時8分着

 

 

両列車は岡山駅までは併結運転します。岡山駅からはサンライズ瀬戸サンライズ出雲が単独でそれぞれの終着駅(高松駅・出雲市駅)まで走ります。

 

 

■ダイヤ設定■

 

サンライズ瀬戸・出雲が未だに人気を保っているのは、ダイヤ設定にも秘密があります。

 

2020年(令和)3月14日時点でのダイヤです。

上り・下りともに、始発駅を夜遅くに出て、翌日の朝に終着駅に着くという、観光客とビジネス客どちらにも適した時刻となっています。

たとえば下りの場合、東京駅の出発が22時なので、仕事終わりに居酒屋1軒で呑んだあとでも時間に余裕をもって乗れるわけです。

上りの場合も夕夜間の出発まで時間があるため、十分に観光を楽しんでから東京へ帰れます。三ノ宮駅や大阪駅にも停まるので、京阪神から首都圏への列車を使った深夜移動を可能としています。

ちなみに臨時列車である「サンライズ出雲91・92」号は、上り下りともに大阪駅に停まりますが、東京駅〜出雲市駅間で見るとダイヤにかなりゆとりを持たせています。

 

 

■ 客 室 ■

 

寝台車は、すべて個室です。各個室に乗る場合、新台料金(寝台券)の他に運賃(乗車券)と特急料金(特急券)が必要です。予めJRみどりの窓口や旅行会社などでお買い求めください。

個室はミサワホームがプロデュースした温かみのある空間です。車内で一晩中過ごせるほど居住性に優れているため、女性客から絶大な人気を得ている理由の一つになっています。

鍵はテンキー式で、任意の4桁の暗証番号を入力することで施錠・開錠ができます。室内は各号車の案内の他、アラームやBGMを設定できるコントロールパネル、暖房の調節機、ミニテーブル、浴衣、枕、毛布、敷シーツ、ハンガー、鏡、使い捨てコップなどがあり、さらにはコンセントまで付いているので、PCやスマートフォンなどを充電しながら移動できます。

 

■A寝台一人用個室「シングルデラックス」

◇号車・室数 4・11号車2階 各6室(計12室)

◇寝台料金 13,980円

サンライズ瀬戸・出雲で唯一のA寝台です。床が絨毯敷きであることや机や洗面台、アメニティグッズを備えているなど居住性は最高なので、リッチな一夜を味わえること間違いなしです😁シャンパンロゼワイン

無論かなりの人気を誇り、発売と同時に完売することがほとんどです!!

全区間を乗り通す際に乗ってみるといいですね!!😆

シングルデラックスの利用に限り、同号車にある車端部の専用シャワー室を使えます。

 

■B寝台二人用個室「サンライズツイン」

◇号車・室数 4・11号車1階 各4室(計8室)

◇寝台料金 15,400円(二人分)

通路側のベッドの頭上に出っ張りがあるものの、二人で過ごすのにはゆとりのある空間です。

階下に備えてあるため、揺れが少なく乗り心地が良いです。まさに友達や夫婦にオススメしたいですね😊上差し

 

■B寝台一・ニ人用個室「シングルツイン」

◇号車・室数 1・7・8・14号車 各1室(計4室)

          2・6・9・13号車 各3室(計12室)

◇寝台料金 9,600円

 ※二人用(補助ベッド)として使う場合、

    別途5,500円が必要

基本的には一人用ですが、上に備え付けの補助ベットを使えば二人用個室としても使えます。2・9号車の一室は車椅子対応となっています。

天井が高い、下段を座席に転換できる、荷物を置ける場所が多いなどのメリットがある一方、二人利用だと狭く感じる、なお且つ全室とも車端部にあるため、揺れが大きく乗り心地が良くないというデメリットがあります。

 

■B寝台一人用個室「シングル」

◇号車・室数 1・7・8・14号車 各19室(計76室)

       2・6・9・13号車 各20室(計80室)

         5・12号車 各2室(計4室)

◇寝台料金 7,700円

サンライズ瀬戸・出雲で一番室数の多い寝台です。階上、階下、平屋の3タイプがあり、一人で過ごすにはかなり快適に造られています。

シングルデラックスと並んで、オススメしたい個室です😊

ただ、平屋タイプだけはシングルツインと同様、車端部にあるので音や揺れを気にする人にはオススメしません🙅‍♂

 

■B寝台一人用個室「ソロ」

◇号車・室数 3・10号車 各20室(計40室)

◇寝台料金 6,600円

サンライズ瀬戸・出雲の中では最も安価な寝台個室です。シングルに比べると居住性は少し劣ります。寝台料金が1,100円しか変わらないので、シングルに乗る方が良いでしょう上差し

 

■指定席「ノビノビ座席」

◇号車・席数 5・12号車 各28席(計56席)

◇指定席料金 530円(通常期)

※閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し

フェリー二等室を思わせるデザインです。

完全に横になって寝れる+毛布付きで且つ乗車券と指定席特急券のみで利用できます。寝台個室と違って開放型となっている(頭部に僅かな仕切りあり)ので貴重品等の盗難には十分ご注意ください。また、席は硬く枕も無いので、毛布を上手く活用して寝る必要があるかもしれません。

 

■ミニラウンジ

◇号車 3・10号車

席は全て窓側に向いているため、夜景や朝の景色を眺められます。ここで食事をとったり、乗客同士で乾杯なんてのも良いですね生ビール

ラウンジ付近には飲料の自動販売機、シャワーカード販売機、シャワー室が設置されています。

シャワー室は330円のシャワーカードを販売機で購入することで利用できます。お湯は6分間出ますが、途中でお湯を止めると時間のカウントダウンも止まるので安心してください😊🚿

 

 

■今後の行方は?

 

運行開始から既に20年以上が経つサンライズ瀬戸・出雲。JR化後の車両とはいえ、予断は許されない状況であることは確かです。

しかし、居住性に優れた個室や様々な乗客に適したダイヤ設定であること、近年リニューアル工事が施されたことなどから、まだまだ多くの人から重宝されています。

今後しばらくの活躍を期待したいところです。

 

 

次回のブログでは、サンライズ瀬戸・出雲の実用的な乗り方について皆さんにお話します。

 

 

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