皆さん、こんにちは!
2019年(令和元年)7月~9月にかけて"熊本デスティネーションキャンペーン(熊本DC)"が開催されました。
デスティネーションキャンペーン(DC)とは、JR貨物を除くJR各社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)と、対象地域の地方自治体、観光事業者等が連携し、全国的に広告・宣伝を展開する大型観光キャンペーンのことです。熊本県で開催されるのは2011年(平成23年)以来8年ぶり、熊本県単独で開催されるのは1997年(平成9年)以来22年ぶりとなりました。
「もっと、もーっと!くまもっと!」をキャッチコピーとし、同県内各場所で様々なイベントや特別企画が催されることになりました。これに合わせ、様々な臨時列車も運転されます。
その一環として、大阪駅~熊本駅間で団体夜行列車"サロンカー明星"が運転されることになりました。これは、かつて関西と九州を結んでいた寝台特急"明星"を、サロンカーなにわを用いて一往復限りで復活運転させるものです。
サロンカーなにわがJR九州管内を走るのは、2016年(平成28年)11月に大阪駅~長崎駅間で運転された"サロンカーあかつき"以来約3年ぶりのことです。このために遠征した僕も5年ぶりの九州上陸となりました。
🌠寝台特急"明星"について解説🌠
"明星"は、1968年(昭和43年)10月1日のダイヤ改正(通称:ヨンサントオ)で新大阪駅から熊本駅を結ぶ寝台特急としてデビューしました。運行開始当初は電車型特急による1往復だけでしたが、その後ダイヤ改正の度に増発され、ブルートレイン24系客車でも運行されるようになり、運転区間も西鹿児島駅(現:鹿児島中央駅)まで延長されました。1975年(昭和50年)の山陽新幹線博多駅開通時には最盛の7往復にまで拡大しました。
しかし、1978年(昭和53年)から利用客の減少に伴い徐々に本数が減っていき、1984年(昭和59年)2月のダイヤ改正の時点では1往復まで削減されたうえ、新大阪駅〜鳥栖駅間は寝台特急“あかつき”との併結運転となりました。そして、1986年(昭和61年)11月1日のダイヤ改正で同区間を走る寝台特急"なは"に後を託す形で廃止されてしまいました。
国鉄分割民営化(1987年4月1日)を間近に控えていたこともあり、あまりにも惜しい廃止でした。
それが今回の熊本デスティネーションキャンペーンのおかげで実に33年ぶりの復活運転となりました。
"サロンカー明星"としては、1984〜85年(昭和59〜60年)に一般販売の臨時列車として運転された実績があるので、34年ぶりの復活運転ということになります。
ところで、熊本まで走る寝台特急は、21世紀まで残った“はやぶさ”や“なは”のイメージが強いかもしれません。僕も最初、熊本DCのときにサロンカーなにわが運転されるなら"サロンカーはやぶさ"または"サロンカーなは"という列車名になるんだろうなと思っていました。それなのになぜ"明星"が選ばれたのか。
あくまでも僕の推測ですが、以下のことが理由に挙げられるのではないかと思います。
はやぶさ…東京発着である+長大編成のブルートレインだったため欧風客車で走ると違和感がある
なは…鹿児島県内発着(沖縄連絡特急)+熊本発着だと中途半端すぎる
そこで、関西発着かつ熊本止まりでも全然違和感のない寝台特急であった"明星"が選ばれたのかなと思います。
生まれも育ちも東京の僕としては、熊本行きの寝台特急として最後まで残った"はやぶさ"の名で走ってほしかったのが正直なところなんですけどね〜^^;
閑話休題
"サロンカー明星"の撮影記録を日毎にまとめたので、どうぞご覧ください^ ^
8月23日(金)
【列車番号】9303レ
【撮影場所】JR東海道本線(JR神戸線) 立花駅−甲子園口駅間の踏切
JR西日本管内(大阪駅−下関駅間)では、下関総合車両所に所属するEF65形電気機関車が牽引しました。
通過する1時間くらい前に、撮影地付近の踏切にトラックが突っ込み、その影響で東海道本線(JR神戸線)のダイヤが乱れてしまうという出来事が起こりました。
どうなってしまうのかと心配しましたが、そこはJR西日本の尽力。徐々に平常運転を取り戻し、"サロンカー明星"も撮影地を定刻(16時半頃)で通過することができました。
なお今回の"サロンカー明星"では往路復路ともに全区間でヘッドマークが取り付けられました。デスティネーションキャンペーンで地方自治体が絡む列車が故に、付けざるを得なかったのでしょう。
因みにこの日はサロンカーなにわと"明星"の併結運転風デザインでした。
8月24日(土)
【列車番号】9341レ
【撮影場所】JR鹿児島本線 長洲駅−大野下駅間
JR九州管内(下関駅−博多駅・熊本駅間)では、熊本車両センター所属のDE10形ディーゼル機関車が重連で牽引しました。
この日はJR九州のクルーズトレイン"ななつ星in九州"の運転日でもありましたが、牽引する専用機関車が故障してしまい、やむを得ずDE10形ディーゼル機関車が代理で牽くことになり、"サロンカー明星"の機関車はどうなるのかという懸念がされていました。JR貨物に所属するED76形電気機関車(通称:銀釜)が牽くという噂も流れましたが、実際は予備のDE10形をかき集めて運行できたようで安心しました。
この日の天気は変化が激しく、曇ったり雨が降ったりの連続でした。"サロンカー明星"の通過前にはなんとか雨が止みました。
この日のヘッドマークは"明星"が寝台特急として現役だった頃に取り付けられていた単独のものでした。
8月25日(日)
【列車番号】9144レ
【撮影場所】JR鹿児島本線 ししぶ駅−古賀駅間の踏切
17時01分、数十分の遅れで通過していきました。
この日機関車に取り付けられたヘッドマークはまさかの"明星・あかつき"‼️
"明星"が"あかつき"と併結運転だったごく短期間の間に使われていた複合型のものです。国鉄末期のブルートレインを彷彿とさせるような1枚となりました(笑
あまりのサプライズに各撮影地では興奮の嵐だったようですね。JR九州のご厚意に感謝です😂
8月26日(月)
【列車番号】9306レ
【撮影場所】JR東海道本線(JR神戸線) 甲南山手駅
隣の芦屋駅近くのホテルで一睡し、翌朝3時半ちょい過ぎにホテルを出て、4時45分に駅に着いた時点で既に10人ほどいました。皆さん地元の方でしょうか、早いですね^ ^;💦
甲南山手駅を5時40分頃、定刻で通過していきました。大阪駅到着も6時06分と早かったです。
なお、JR西日本管内で機関車にヘッドマークが取り付けられるようになった頃には"明星"は既に"あかつき"との併結運転となっていました。そのため現役時代の"明星"に単独ヘッドマークが取り付けられることはありませんでした。EF65形電気機関車にとっても最初で最後の機会だったでしょうね。
以上、"サロンカー明星"撮影遠征記録でした。
関西対九州の夜行列車が久々に復活運転された記念すべき4日間となりましたね。
乗車された皆さんもお疲れさまでした^ ^
またこのような復活運転があるといいですね👍