感染症から学ぶ公衆衛生のキホン 第15回 | gorohちゃんのブログ

gorohちゃんのブログ

ブログの説明を入力します。

いよいよこの公衆衛生のキホンも最終回となりました。社会保障についてです。

その前に、日本国憲法第25条の「生存権」で保障されています。

 

第25条

 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

 

図1 日本の社会保障の4本柱

 

日本の社会保障には、図1のように「社会保険「社会福祉」「公的扶助」「公衆衛生」があります。

前回までは主に「公衆衛生」「社会福祉」に絞って説明してきました。

最終回は「社会保険」「公的扶助」の観点から説明していきます。

 

まずは「社会保険」から。

図2 社会保険の本質

 

社会保険とは、傷病・障害・老齢・死亡・失業などの生活困窮をもたらす不確実な事故に備え、個人では負担できない損失を集団で平均化しようとする社会システムです。

みんなでお金を出し合って、事故が起きた人を助けるしくみです。

社会保険には5つあり、医療保険・年金保険・労災保険・雇用保険・介護保険があります。

今回は主に年金保険・医療保険・雇用保険について解説していきます。

 

図2は社会保険の本質を示しています。簡単にいうと「所得の移転」です。

要するに現役世代が高齢者を支えていて、現役世代が保険料を納付したものが高齢世帯に給付する形です。

図3 日本における高齢者の支え方構図


実際、65歳以上の高齢者1人に対して、現役世代が何人で支えているかを表したのが図3です。これを見ると2050年には高齢者1人に対して現役世代が1.3人で支えていることになります。

 これからの課題としては、①高齢者が長く働ける環境の整備、②現役世代が働きやすい環境の整備が必要です。

 

図4 日本の医療制度①

 

図5 日本の医療制度②

 

図4・図5を見てください。日本の医療制度について示しています。図4は現役世代による医療制度、図5は後期高齢者医療制度を表しています。今回詳しい説明は省略します。

 

図6 年金保険の仕組み

 

図6は、現在の年金の仕組みを示したものです。年金制度は20歳以上60歳未満のすべての人が加入することになっていて、職業によって第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者に分類されます。

 

第1号被保険者➡自営業者・学生・無職など

第2号被保険者➡公務員・会社員など

第3号被保険者➡第2号被保険者に扶養されている配偶者

ちなみに第2号保険者は国民年金に所得比例の厚生年金が上乗せされているので、2階建て構造になっています。さらに企業年金を上乗せすることで、3階建ての構造になります。

 

では第1号被保険者が第2号被保険者のように2階建ての構造にするには、国民年金基金を上乗せすることでカバーできます。

図7 雇用保険とは

 

雇用保険の目的は、労働者が失業した場合や教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことで、労働者の生活、雇用の安定を図るとともに失業の予防、雇用状態の是正など労働者の職業の安定を図っています。

 

最後に「公的扶助」であるセーフティーネットである生活保護について

 

図8 生活保護(8つの扶助)

 

公的扶助とは、生活困窮者に対する公的な救済制度のことです。具体的には生活保護法に基づく生活保護のことを指しています。

 

自らの資産や能力すべてを活用しても、なお生活を維持できなくなった世帯に国の責任において「最低限度の生活」を保障して自立を助ける所得保障制度です。

 

図8は生活保護の種類を示しています。

①医療扶助②介護扶助③生活扶助④住宅扶助⑤教育扶助⑥出産扶助⑦生業扶助⑧葬祭扶助の8つの扶助で構成されていて、必要に応じて1種または複数の組み合わせにより給付されます。

 

図8 現物給付と現金給付の違い

 

図9は現物給付と現金給付の違いを示しています。

現物給付➡物・サービスそのものの提供を受ける方法

現金給付➡金銭を受け取る方法

 

例えば生活保護の8つの扶助のうち、①医療扶助②介護扶助は現物給付、それ以外は現金給付になります。

 

以上で「感染症から学ぶ公衆衛生のキホン」全15回お届けしてまいりました。今回、3年前の新型コロナウィルス感染症騒動がなければここまで詳しく知ることもなかったですし、この機会に公衆衛生が社会にとって重要であることがわかりました。

(追記)皆様、最終回の内容にいいね!していただきありがとうございます。今回省略した内容について近日🆙いたします。良ければ見てください。


 みなさまにお願いがあります。学ぶことは大学や大学院卒業で終わりではありません。わからないことは自分で調べること、そのツールとしてパソコンやスマートフォンがあるわけです。

 道具を使いこなせないと、ただのガラクタです。英単語を覚えたのいいけど、いざ会話してみるとできない。これでは時間の無駄になるよね。もちろんすべての情報をインターネットに頼るのも問題です❗必ず裏付けが必要です。しっかり知識を経て自分の頭で理解して活用できる人を目指してください。

いざとなったとき、必ず役立つときが来ます。

 

 今まで読んでいただきありがとうございました。