はだしのゲン2 公開年:1986年6月 制作:日本 評価:☆☆☆☆☆ 完了日:2017年8月6日 ラベル:近代富士山
 
 
 
 
 
 
8月15日は終戦記念日
 
 
 
映画『はだしのゲン』と同日に視聴。
 
 
今度は始めから終わりまで観たぞ。
 
 
 
 
 
前作から3年が経過した。ゲンは小学4年生になっていた。
 
 
・・・あれ?前作とキャラデザ、違わなくないか?前作はやや丸みを帯びたフォルムで、脚もずんぐりむっくりしたような形だった。本作は、等身が長くなっており、顔のフォルムも細長く、脚はすっきりした処理がなされている。
 
 
いや、いくら成長したとはいえ、変わりすぎだろ。
加えて母親の顔がおばさんぽくなっている。前作のは麗しい未亡人といった感じだったのに、たった3年で老けすぎだろ。
 
 
前作で美しいと感じてしまったあの時のトキメキを返せ!
 
 
 
 
あれから3年が経ったとは言え、広島市内はいまだに復興しておらず、瓦礫がそのままの状態で残されていた。
 
 
学校が再開されていたが、建物は天井部分が崩壊したまま。つまり、半青空学級状態。
そんな学校に一人の浮浪児がうろついていた。見かねたゲンの担任が追い払おうとする。
 
 
戦争によって親を亡くした子どもたちが戦後たくさんいた。いわゆる戦災孤児である。孤児たちは、学校にすら入れない。
 
 
教室を覗いていた浮浪児の女の子は、勉強ができるみんなを羨ましく思い、かつ自分も勉強したいと授業を聞いていたのだ。
 
 
同じ未来を担う子どもなのに、先生の浮浪児に対する扱いが酷い。浮浪児だって、好きで親を亡くした訳じゃない。全ては戦争のせいなのに。
 
 
 
 
 
女の子を連れ戻しに来たのは、リーダー格の男の子(中学生くらい)。その際、ゲンと対面し、ゲンの威勢の良さを気に入ったリーダー・政。
 
 
以降、ゲン&隆太は政及びその仲間たちと交流するようになる。
 
 
彼らみんな、女の子同様に親を亡くした。血の繋がりはないが、彼らは日々を生き抜くため、力を合わせて生活していた。
 
 
 
 
 
国は何をしているんだ!
と思ったが、戦争に負けたばかりでそんな余裕あるわけないわな。
 
 
『奇跡体験アンビリーバボー』で取り上げられていたけど、中国残留孤児のことを把握しておきながら、国は情報を握り潰していたって言うし。全く、これだから国なんて信用できん。
 
 
一応、孤児たちを保護してる組織(警察?)があるんだけど、その連れて行き方がこれまた酷い。警棒でバシバシ子どもたちをシバきあげてから連れて行くのだ。人権もなにもあったもんじゃない。
 
 
 
 
 
最近、母親の身体の調子が悪そうだ。目眩がしただけだからと言う母親に、ゲンは職場までの行き道に彼女をおんぶしてやる。
 
 
・・・母ちゃんの身体が軽すぎた。
 
 
動揺するゲン。母親は、子どもたちにごはんをやるばかりで、自分では大して食べてなかったのだ。そのことが思いやられた。
 
 
今度は母親である。原爆症。栄養失調と相まって、目には見えない放射能がじわじわと身体を蝕んでいく。
 
 
ゲンたちが、学校や小銭稼ぎのための屑鉄拾いとかしてる間に、母親が死んじゃわないか気が気でない。
 
 
父親の言葉と母親の言葉を胸に、ゲンは何度踏みつけられても芽を出す麦のように、めげずに生きていく。
 
 
 
 
 
もうやめて❗
rigretのライフはもうゼロよ!!
 
 
次から次へと苦境がゲンにのし掛かる。母親のことだけでなく、戦災孤児グループのことetc....
良いことがあったと思ったら突き落とされ、また良いことが起きたら、またまた突き落とされる。涙の嵐。泣きすぎて頭が痛い。
 
 
だけど、絶望なんかしない。良いことがあれば悪いこともあるさ。それが人生だもの。
 
 
ゲンは相手の心と同調し、一緒になって泣いてあげられる子だ。だが、次の瞬間には全てを吹き飛ばし、大いに笑う。希望があることを知っているから。
 
 
子どもたちの声はいつだって明るい。それこそが希望であり、救いだ。子どもたちこそが、未来を紡いでいく宝なのだ。
 
 
 
 
 
一時期、マンガ『はだしのゲン』は、有害だとかなんだとかの理由で一部の図書館で閲覧制限がかけられたことがあった。
 
 
まぁ、マンガは過激な描写があるのかもしれないが(未読)、一斉に閲覧制限しようとすることは、『図書館戦争』みたいなことになるからやめようや。
 
 
アニメ映画はまだソフトな表現になっているから、「戦争とは何ぞや」と触れるにはこちらから入った方が良いのかもしれない。あくまでも、原作に比べてソフトというだけで、戦争及び原爆のおぞましさはしっかりあるよ。
 
 
トラウマ必至。原作者によれば、これを観て(読んで)、戦争に対する忌避感を持ってもらえたらということらしい。
 
 
 
(2017年8月16日追記)
映画レビュー 総合ランキングにて、91位に入りました!ありがとうございます。


(2017年8月18日追記)
映画レビュー 総合ランキングにて、78位に入りました(^-^)/

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