収穫2026 その6 ──夢で終わらせない── | Everyday People Dance To The Music

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日々人は音と共に踊る

さて、いい加減書いていくか……熱は熱いうちにって言うし。
今、この冒頭部分を書いている時点で、2月10日の11時03分。書き終わりはいつになるかな? 今日中に書けると良いが、作業もしたいんだよね。

というわけで、ここで今回の収穫。

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番外編:Herbert Von Karajan: Berlin Philharmonic Orchestra『Jubilee Concert 100 Years Berliner Philharmoniker Beethoven: Symphony No.3 ”Eroica”』 ¥1760
東京最初の目的地は池袋。かつてレスポールを買った街であり、店舗面積都内トップクラスのブックオフがあり、ディスクユニオンのクラシックスペースが充実しているという話もあった。まあ言わば副都心だな。都心は新宿として。

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新宿西口もそうだったけど、都心部のブックオフにはそこまで期待できない感じだったな。何でも揃う店には、本当に欲しいものは無いんだ。
ただ、DVDコーナーにあったこの盤は例外。この値段でも買わざるを得ない。

Beethoven Symphony No 3 Herbert von Karajan

カラヤンの映像と一口に言っても、変な演出の無い真正のライブ映像というのは結構珍しくて、熱演と評判の高いベルリンフィル百周年の『英雄』は結構前から探していたので、迷わず買い。
カラヤンの指揮振り自体は正直あまり面白さを感じないのだけど、演奏は評判に違わないものだと思った。第2楽章がこれほど壮大に聴こえたのはちょっと記憶に無いな。



No.014:Herbert Von Karajan: Berlin Philharmonic Orchestra『Rimsky-Korsakov: Scheherazade; Tchaikovsky: Capriccio Italien, 1812 Overture』 ¥380
池袋のディスクユニオン……。

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まあ正直、こんなもんかなという感じ。何なら都内のユニオン全制覇しようかという考えもあったのだけど、やめておいて正解だったと思う。思わぬ収穫はあり得たかも知れないけど、かける労力に見合う期待値ではなさそう。


Rimsky-Korsakov: Scheherazade, symphonic suite, Op. 35 (Herbert von Karajan)

とりあえずどんな曲でもカラヤン盤は買っておく、というのは、僕だけのイズムではない筈だ。最高のオーケストラを用いて、もっとも聴きやすい演奏を録音として残す、カラヤンの盤はリファレンスとするのに最も相応しいと思う。
結果的に「最後の一枚」には選ばれないとしても、「最初の一枚」とする価値は十分にあると思う。カラヤン自身の思惑は違うのかも知れないけど。
まあその辺のことについては、いつか言を尽くして書きたい気持ちはある。僕にとってカラヤンとは? みたいな。

あと、『1812年』の大砲の音が控えめだと書いている人がいたけど、どこが?(笑) あれで本当に控えめなんだったら、そうじゃない演奏ってなんだよ……。



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No.015:Valery Polyansky: Russian State Symphony Orchestra『Tchaikovsky: Symphony #6"Pathétique", Slavonic Dance』 ¥780
ここからユニオン新宿中古センター。

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もうね、聖地ですよここは(笑)。ここと、今回は行かなかったけど西新宿のブラインドフェイスのためだけの東京行きってのも、正直全然アリだと思う。
で、iTunes取り込みの際にデータが見つからなかったポリャンスキー・ロシア国立響の『悲愴』。僕と意見が合わないブログ(苦笑)で絶賛されていて、予てから気になっていた盤。

Symphony No. 6 in B Minor, Op. 74, TH 30 "Pathétique": I. Adagio

悲愴を超えた、絶望的な寂寥感……みたいな紹介のされ方をされてて、実際それにはある程度うなずける。
大きく見えを切るようなところでも盛り上がらずに進む。劇性を排した演奏に、後はどれくらいシンクロできるかどうかだろう。
今の僕は、見えを切ってほしい方かな。その、落差で悲愴感を表現して欲しい。
ただ、否応なく「死」というものを意識せざるを得ない終楽章、総休止からの断末魔の叫びの様な強奏が、この盤では空しく響くというか、より孤独感・寂寥感を覚える響きになっていると感じた。そういう表現は、今まで無かっただろうか……。



No.016:Günter Wand: Berlin Philharmonic Orchestra『Bruckner: Symphony #8』 ¥680
今回はブルックナーの第7番を聴きに行ったのだけど、もう言ってしまうけど次は第8番が控えていたりする。
なので予習に余念がないのだけど、手持ちの盤がヨッフム・シュターツカペレドレスデン盤とテンシュテット・ロンドンフィル盤しか無かったので、ここらで世評の高い盤を買っておきたかったのだけど。

ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 ヴァント 2001

大曲ばかりのブルックナーの交響曲、その中でも最大規模の第8番の演奏時間は大体80分を超えて、CD一枚では収まり切らなくなる。手持ちの二枚は何とか一枚組なのだけど、ブルックナー専門サイトでの評価は低めで、つまるところある程度以上の演奏時間をかけることによってしか表現することができないスケール感があるということなのだろう。
そしてその事を、この盤を聴くことで少し理解できたように思う。手持ちの盤より10分程度長尺だ、というだけでは説明のつかない巨大さを感じる。
そしてそれをさらに上回る、演奏時間100分という化け物みたいな演奏があるということで、いずれ是が非でも手に入れたいと思う。この曲に関しては、カラヤンの出る幕は無さそう(苦笑)。



No.017:Teodor Currentzis: MusicAeterna『Beethoven: Symphony #5』 ¥792
この前「つつがなく終えて」と書いた通り、今回の旅行では特に大きなトラブルもなく事前の予定を全てこなせたわけだけど、唯一にして最大のピンチが二日目にあった。

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牛久大仏に向かう途中の道が事故で通行止めになるというね。一日に三本しかないバス(苦笑)の、二本目でのこの事態。大仏が見れないのもそうだし、下手をすると駅に戻るのも難儀するという……。

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まあ事なきを得たが。これを一度は間近で拝みたかったのよ。

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で、宿の最寄り駅を一旦通り過ぎてブックオフに向かった(笑)。なかなかの無駄足だったが、その甲斐は間違いなくあった。

クルレンツィス・ムジカエテルナの『運命』。もうずっと前から欲しかったのだけど、CD一枚に『運命』一曲というかなり強気な構成に比して、なかなか下がらない中古価格に尻込みし続けていた。今回この値段なら文句は無い。


Beethoven: Symphony No. 5 'Destiny' in C minor, Op.67 [Currentzis]

通算43枚目の『運命』。飽きるほど聴いてきた冒頭の運命動機で、今更驚かされるとは思わなかった。それくらい先鋭的で、清新な響き。その他、第一楽章のインテンポのリズム処理や、第三・四楽章の弦の刻みなど、端的に言って格好良い。
そして、再三僕は『運命』と書いてきたけど、この演奏に関してはそういう表題的な部分や「苦悩から歓喜へ」というような精神性を削ぎ落して、純音楽として表現しようとしている(本人もそんな感じの事を言っている)。この盤に関して(だけ)は、『運命』ではなく『交響曲第五番』と呼ぶべきなのだろう。
それ故に恐らく評価は二分されるし、実際「人生の苦悩が感じられない」的なレビューも読んだ。正直僕も格好良いとは思うけど、最終的に選ぶのは『運命』と呼べる演奏であるのかも知れない。それでも、この最新鋭の演奏が、ただ新しいという以上の価値を持っているのは確かだと思っている。



No.018:Mahavishnu Orchestra『Wild Strings』 ¥580
オーケストラつながりという事で(笑)。
この二泊三日の期間中、コンサートの休憩時間にまで読んでいたのが『M/D』だったので、当然というか、エレクトリック・マイルスも探索の対象になっていた。『イン・ザ・スカイ』とか『キリマンジャロ』とか。
値段と盤質がちょっとなー、と思いながら、目をやった棚にあったのがこの盤。


The Mahavishnu Orchestra-Wild Strings- You Know You Know

正直……この盤、データは既に持っていたりする。
もう何年前になるかわからないが、あまり大きな声では言えないルートで……というか、今となっては何処でどうやって手に入れたか忘れたよ(苦笑)。大きな声で言えない事だけは確かだ。まあ今は使える音楽プレイヤーが無いし、そうでなくても盤を持っているに越したことは無い。ましてこの値段。
4曲だけとは言え1時間超、まあまあヘヴィである。曲目は定番というかいつものヤツというか、でも前に買った3枚組に『ヌーンワードレース』が収録されてなかったり、全部揃う組み合わせも意外と無かったりするのかな?
いずれにしても、マハヴィシュヌのブートとかなんぼあっても良いですからね(笑)。選択肢が増えたのは有難いですよ、ほんとにね。



No.019:Jos Van Immerseel: Anima Eterna『Schubert: Symphonies』 ¥680
池袋が副都心だと言ったのは撤回します。

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秋葉原の巨大なブックオフ、神保町の数多ある中古レコード店、そして御茶ノ水駅前のユニオン。少なくとも収穫関連において、副都心は間違いなくこの界隈。
調べた限りで、神保町のクラシック専門店は一つしかヒットしなかったのだけど、ジャンルを広げればもっとあるし、書店や楽器店なんかも含めればここだけで一日費やせそうな感じ。やりたいなあ、そういう買い回り。

もとい。
インマゼール・アニマエテルナのシューベルトというのは結構評判が良くて、聴いてみたいとは思ったもののなかなか見つからず。新宿とかでも『未完成』と第6番のカップリングとかしか無かった。
それが、ここに来て四枚組全集。それもこの値段。これは買わざるを得ないなと。


シューベルト:交響曲 第8番 ハ長調 D944「ザ・グレイト」インマゼール 1997

取り急ぎ『グレート』と『未完成』だけ聴いてみたのだけど、『グレート』にはちょっと驚いた。かなり速いテンポなのだけど、提示部の繰り返しを全楽章でやっているので、演奏時間はジュリーニやチェリビダッケと同じくらい長い。長いのだけれど、テンポが良いから退屈せずに聴き通せる。
と書くと、如何にも名演である。評価が高いのにも頷ける。しかし頷きながらも、それが僕の求める演奏で無いのもまた確かなのだ。
何度か書いたが、特に『グレート』において僕が求めているのが「飽きない退屈」なのである。退屈しているという感覚が確かにありつつ、それを悪くないと思っているような、そんな感じ。飽きさせない創意や工夫や熱気よりも、曲そのものの美しさをそのまま提示するような……まあそれだけではなくて、他にも色々と思う所があるのだけど。


シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調 D759「未完成」インマゼール 1996

『未完成』にしてもそうだけど、もう僕の中に理想というか、かくあるべしというヴィジョンが固まってるのね。ワルター・コロンビア響とかジュリーニ・バイエルン放送響とか、その理想を体現したような演奏が既にあって、それを覆すのには相応の強度が要る。
同じことが『新世界より』とか『悲愴』にも言えるのだけど、あれだけ枚数買ってる『運命』には実はそういうのがまだ無かったりする。多分ロマン派と古典派の違いというか、『運命』という曲自体がその境目に位置しているからなのだろうと思っているのだけど。

インマゼールに関しては、取り急ぎ聴いた二曲以外の曲こそ楽しんで聴けるんじゃないかとも思う。それこそ、ベートーヴェンとかも聴いてみたいな。
……ところで、アニマエテルナとムジカエテルナを、割と最近まで混同してましてね(苦笑)。



No.020:Duo Crommelynck『Tchaikovsky: Symphony #6"Pathétique", 50 Russian Folk Songs』 ¥680
実際の所、欲しいと思いつつ敢えてスルーした盤は何枚かある。
東京で買わずに、他のどこで買えるというんだ、と言われれば、まあ返す言葉は無い。後悔する気持ちが全く無いと言えば嘘になる。ただ……その熱量に見合う金額か、という問題がどうしても、ね(苦笑)。
その点この盤に関しては、梅田で盤面キズありで1000円以上の値が付いていて、半分手に入れるのを諦めていた所に持ってきて、この値段。東京の底力をまざまざと見せつけられた気分。

デュオ・クロムランクと読みます。その名の通り二人組、それも夫婦であるという。ジャケに写っているのがそうですね。
連弾の四手ピアノによる『悲愴』……そういうものがあるというのは予てから知っていたけれども、それを探して買おうと思い立ったのは、去年の暮れに買った許光俊の著書の記述によるところが大きい。詳細は……まあ、検索すれば大体わかると思うので敢えて書かずに置く。
正直なところ、この盤は聴くのがやや億劫だった。怖かったと言ってもいい。自分の価値観というか、この曲に対するビジョンが大きく塗り替わってしまうのではないかという懸念が半分と、聴いてなお何も感じずに終わってしまったらどうしようという懸念がもう半分。


Symphony No.6 in B Minor Op. 74, "Pathetique": I. Adagio non troppo un poco rubato

演奏の路線としてはポリャンスキーのそれと近い。ただ、音色がピアノのそれに変わる効果は絶大で、完全にモノトーンの世界になる。冒頭の一音から凄まじい沈鬱さ。芝居っ気の欠片もなく、内側に沈み込んでいくような。

Symphony No.6 in B Minor Op. 74, "Pathetique": IV. Adagio lamentoso

それは終楽章においてより顕著になる。オーケストラによる演奏では絶対に辿り着けない表現。
やはりこれは、そうそう気軽に聴けるものではないなと思った。気持ちが沈んでいるときには、引きずり込まれてしまいそうな気がする。



……はい(苦笑)。いや一週間弱かかってしまいましたよ(苦笑)。まあ何だかんだね、日々のよしなしごとに追われちゃって……。
まあ見ての通り、このボリュームですよ。ぶっちゃけ、帰りに新神戸から三宮に寄って夕食をとったのだけど、ついでにりずむぼっくすに寄ることを考えかけただけで胸焼けがしたんで(苦笑)。それくらい、収穫に関してはもうやり尽くしたなと。

で、今回の旅の支出。例によってザックリどんぶり計算で87,090円。半分どころじゃなかったな(苦笑)。
現状残り45,110円。半端と言えば半端な額だが……一応考えはある。