収穫2025 その19 ──感じるな、考えろ── | Everyday People Dance To The Music

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日々人は音と共に踊る

本題に入る前に。



まあこの暑い中バイクを出すのもアホなら、収納スペースに苦しんでる最中にブックオフをハシゴするのもアホであるわけだが、極めつけとも言うべきアホがこちら。




はいドーン(Franz Joseph Haydn, 1732~1809)
レベル 1/144 F-14Dスーパートムキャット

……締めや言うたんちゃうんかいと。いや全くその通り。作りませんよ? 今はまだね?
あのー、大阪南部のブックオフで、確か前にアカデミーのクルセイダーを見かけたんじゃないかって店に、今回約1年ぶりに行きまして。流石にもうクルセイダーは無かったけど、記憶通りの結構パンチの効いた品揃えでちょっと嬉しくなって、気が付いたらもう、何か買わなきゃという気分に(苦笑)。
何がアレって、ハセガワの1/72トムキャットより高いのよこいつ(苦笑)。小スケールだからって、Fトイズのおもちゃとはワケが違うのよ。
例えば今回ツーリングじゃなくて電車で日本橋に行ってたとして(実際その案とちょっと迷った)、ジョーシンキッズランドでこのキットを見かけてたら、多分、いや間違いなく見送ってるのよね。考慮すらしないと思う。
これがブックオフの魔力か……単純に暑さにやられた可能性もあるが(苦笑)。

まあそんなんでね。何か買わなくても良いものばっかり買ってた気がするよ。
というわけで、ここで今回の収穫。



No.029:Arthur Nikisch: Berlin Philharmonic Orchestra『Homage To The Berlin Philharmonic Orchestra, Vol. 1』 ¥550
箕面市役所前店の550円の棚の品揃えが充実している、という話は前回したっけ? まあ盤の量や質よりも気持ちがスイングするかの方が重要で、それで言うと今回は……この時点でタガが外れていたかも知れない(苦笑)。

『栄光のベルリンフィルハーモニー管弦楽団』と銘打たれたシリーズの第1弾、という時点である程度察せられるかもしれないが、ここに収められたアルトゥール・ニキシュ指揮の『運命』が収録されたのは1913年。ベルリンフィルによる最古の録音であり、僕の手持ちの盤の録音年度においてもぶっちぎりで古い(これまではロバート・ジョンソンが最古だったはず)。

Beethoven - Symphony No 5 - Nikisch, BPO (1913)

音質はまあ、こんなもん。年代にしては良い方と言えるかもしれない。
演奏については、まず後任のフルトヴェングラーとは全く違うスタイル……と言いたいところだが、それは戦中戦後のライブの印象であって、晩年のスタジオ録音だとどうだろうか。
インテンポだからトスカニーニに近いなんて声もあったけど、それもどうかと思う。要所要所でテンポの引き延ばしがあったり、そもそもあそこまで速くないし。
全体的に優雅さがあるのかな。まあこの録音一つでは何とも……聴いててしんどいのは否めないし。

……まあぶっちゃけ、40枚目の『運命』というその節目のためだけに買ったという感じですね。最新の録音はこれからずっと更新されていくから、恐らく更新されることのない最古で区切りとしました。
40枚買ったら何やら、という企画も考えているのだけど、とりあえず先の話という事にしたい。やる気はあるよ?(苦笑)



No.030:Otto Klemperer: New Philharmonia Orchestra『Bach: The Four Orchestral Suites』 ¥550
バッハ。


サカナクション / 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 -Music Video-

何きっかけかは忘れてしまったのだけど、何故かバッハ聴きたいとなった夜があって、シェリングの無伴奏ヴァイオリンを久しぶりに聴いたのだった。で、色々調べて、次買うならブランデンブルグ協奏曲か管弦楽組曲だなとは思っていた。ので、いきなりの思いつきで買ったわけではない。
オルガンとチェロとヴァイオリンのソロくらいしか聴いたことないのだけど、バッハの音楽は虚空に浮かんで光を放っているようなイメージがある。前に進んでいるという感覚が希薄。


Johann Sebastian Bach: Orchestral Suite No.3 in D BWV 1068 - II. Air - Otto Klemperer

それは管弦楽曲でも変わりない……のだけど、それはクレンペラーだからというのも多分にある気がする。
大オーケストラによる超スローテンポの演奏は今の時代にそぐわないのかも知れないけど、知らん(笑)。実際好きな人は結構多いと思う。



No.031:Herbert Von Karajan: Berlin Philharmonic Orchestra『Mozart: Symphony #39, Brahms: Symphony #1』 ¥1200
これはユニオンクラシック館。ずっと値段で折り合わなかった盤だけど、今回確か200円下がってた(笑)。まあこれ以下は無い……と思う。下がる頃には機を逃してそう。


カラヤン ベルリンフィル 最晩年のブラームス第1番 劇的ライヴ

前に買ったロンドンでのライブと比べると、最初の序奏の打ち込みは流石にやや大人しいが、最後の盛り上がりは不足ない。最後の来日公演、という補正抜きでも熱狂のライブだと思う。
カラヤンのブラ1もこれで多分打ち止め。最後がこれというのは一番相応しいかな。



No.032:New Cinema 蜥蜴『Many Elements』 ¥550
今回の収穫は以上です。どうもありがとうございました。









……はい。


New Cinema 蜥蜴 - Smashing the good! Smashing the bad! English Ver.

シネトカについて、今何かを書いている人が他にいるだろうか? 聴いている人は? 僕は、聴いてないよ?(笑)
このセカンドアルバムは、僕が鳥取に住んでいた昔に某レンタルショップで借りてMDにダビングして、しかし今やそのMDもレンタルショップもシネトカというバンドも無くなってしまって、無くなってないのは鳥取くらいのものだ。
だからまあ20年越しの邂逅ということになるのだけど……いや、むしろ事故って言った方が良いな(笑)。出会い頭の正面衝突。誓って言うけど、探してたわけじゃないよ? 探してた時期はあったけどさ。

New Cinema 蜥蜴『Meny Elements』

そもそも20年越しになってしまったのは、初めて聴いた時に何となくだが少なからず「コレジャナイ感」があったからで、丁度同じ時期に聴いたトライセラの4枚目と重なる所がある。
だからまあ、義務的に買ってはみたものの聴かずに済ませるというのも、一つネタとしての消費の仕方なのかなと(苦笑)思ったのだけど、流石にそれはあんまりだよね。

という事で聴いてみたのだけど、これがまた、悪くないのである。

New Cinema 蜥蜴 『Green Love』

メロディーのセンスは後退してないし、歌い回しも変わらない。ギターとか、上手くなったというか、引き出し増えてる感じがする。
明らかに変わったのはアレンジで、ダンスポップっぽい曲が増えたのに合わせるように、シンセの音が全面的にフィーチャーされてて、まあコレジャナイってなるのもわかるのはわかる。

いや、というかね。
僕にとって、シネトカの『Rail』ってアルバムは、青春なのですよ。青春時代に鳴っていた音楽、ではなく、青春という概念を最も感じさせる音楽が、僕にとってはシネトカのファーストなのです。
それも、青臭さとか、酸っぱさとか、苦さとか、痛さとか、切なさとか、ニセモノっぽさとか、ヒリつく感じとか、そういうあまりよろしくない感じを連想させる音楽として、僕にとってはあまりにも芯を食い過ぎてた。
芯を食い過ぎた作品の次作に、同じようにハマるのは不可能だという、ただそれだけの話なのである。

20年越しの邂逅が幸福なものであったことを喜びたい。
僕がシネトカについて何かを書くことは多分もう無いだろう。でも折に触れて聴き返すことはあるだろうし、少なくとも『Rail』というアルバムは、間違いなく僕の魂に刻まれ(てしまっ)た内の1枚である。



まあこうして振り返ると、何だかんだ買うことに必然性はあったのだという感じですね。



ただしレベルのトムキャット、テメーはダメだ(笑)。
いやダメなのは僕なんだけどね。大反省ですよもう……。