No.005:
Emerson Lake & Palmer
『Emerson Lake & Palmer』
Emerson Lake & Palmer - Emerson Lake & Palmer (1970) FULL ALBUM
プログレやハードロック、産業ロックなどのいわゆる旧来のロックが、パンクロック勃興のムーヴメントによって死滅させられた、という史観は未だに存在するのではないかと思う。
僕が思うにそれらは、例えば「キングクリムゾンのデビュー盤が『アビーロード』をトップから引き摺り下ろした」などという都市伝説と同様の代物である。
永遠の生命は無いのと同様に、永久に続くムーヴメントも存在しない。時を経ればいずれは肥大化し、硬直し、枯渇し、衰弱して倒れる。
それは同時に、湧き起こったばかりの新しい流れが、常に清新なエネルギーに満ちていると言うことの裏返しでもある。
パンクの無軌道さは勿論若いエネルギーを象徴している、と言うことを否定はしない。
しかし僕はプログレッシヴロックこそ、ある種の若さをもってしか生まれ得ない音楽なのではないかと思う。それは例えば、若気の至りや、若さゆえの過ちといったものを含めての話であり、最も顕著なのは言うまでも無くその最初期においてである。
代表例として、僕はエマーソン・レイク&パーマーの、グループ名と同タイトルのファーストアルバムを挙げることにしたい。
Knife Edge Emerson, Lake & Palmer 360p
歪んだギターがロックの象徴であるとするなら、それを用いない編成は革命、或いは反逆である。
しかし、クラシックの主題をロックのリフとして転用する、というコンセプトを前提とするなら、キーボードが主体となるのはむしろ必然であり、トリオ編成は一切の無駄を省いた最小構成単位である。
3人の俊英が、一点突破で新しい何かを生み出そうとする気概が、溢れているような音だと思う。
エマーソン・レイク&パーマーを聴きながら、そんなことを考えるわけでは実はない。色々なことを考えるには、この音楽は少しばかり身も蓋も無さ過ぎる。
だからこの文章は、あまり聴かずに書きました。