No.004:
Deep Purple
『Made In Japan』
Deep Purple-Made In Japan (1972)
予め言っておくが、僕はパープルとツェッペリンではツェッペリンを選ぶ男である。
以下の文章はそんなツェッペリン派の僕による、いささか偏った目線からの「ディープパープルのススメ」ということになる。
ディープパープルを初めて聴く時に何を聴けば良いか。
……まあ、今更な問いだ。パープルに限らず、ツェッペリンにせよサバスにせよユーライアヒープにせよUFOにせよ、何を今更と言う話ではあるが、時代の移り変わりに関わらず「初めての」が存在すると言うこともまた事実。
Deep Purple - Highway Star (lyrics)
パープルの最初の1枚として、僕が選ぶのは『マシン・ヘッド』である。最も有名なメンバーによる、誰もが知っている有名曲が2曲収録されているのだから当然と言えば当然のチョイスなのだが、僕としては「敢えて」の選択である。
時間と手間が惜しいと言うことなら、とりあえずその1曲目『ハイウェイスター』だけでもいいだろう。
実際に聴いてみての感想は、当然人それぞれである。
が、僕は「格好良かった」よりも「イマイチ物足りなかった」の方が多くなるのではないかと思う。と言うか、そうなる事を見越しての「敢えて」である。
曲の良し悪しはともかく、『マシン・ヘッド』は録音があまりよろしくない。全体的に音が平板でお迫力が無いのだ。特にギターの音にそれが顕著なのだが、それが「皆が知っているあの音」であるのもまた事実なのだ。
Deep Purple - Made in Japan - Highway Star (video)
そこで僕が「ではこちらを聴いてくれ」と取り出すのが『Made In Japan』。日本で収録されたライヴ盤である。ちなみに邦題は『Live In Japan』でありこちらの方が有名だ。
こちらも同じく『ハイウェイスター』が1曲目であるが、イントロの時点で段違いだと言うことがわかるだろう。わかるはずだ。スタジオ盤よりもスピード感があり、音の奥行きもある。
何よりもギター。その最初のコードストロークを聴いて何も感じないとしたら……いや、やめておこう。
スピード感と言うのはディープパープルの肝というか生命線だと思う。
このアルバムの演奏はどの曲も即興で大幅に拡大しているのだが、ツェッペリンのようによくわからない感じでグダグダになるというようなことは無く、適度な緊張感を保ちつつ楽しませてくれると言う印象がある。
ツェッペリン派からすればその辺りが物足りないと言うことにもなるのだが、まあ飽くまで好みの問題だ。
何も考えずに熱くなりたいと思う時、このアルバムほどその起爆剤として相応しいものはなかなか無いのではないか。ツェッペリン派の僕も認める、それはパープルの大きな美質だと思う。