水彩人 名古屋展(2019 第21回展) |  SHOKEI 'S TIMES

水彩人 名古屋展(2019 第21回展)

 

水彩人の今年の巡回展は 昨年と同じ名古屋の「電気文化会館」の5階で

12月10日(火)〜15日(日)まで開催されています。

 

 

    

 

 

9日に陳列して 初日には 11時から恒例のギャラリートークが

行われました。聞きに来られた方は 思ったよりも少なく、ちょっと

残念でしたが、 トークは「絵の見方」や「解釈の在り方」などを

展示作品を見ながら話し合いました。

 

絵の鑑賞は自由だと思いますが、絵を描こうとする人ならば、

「キレイ」「上手」のような表面的な見方だけではなく、作者が

何を表現しようとしたのかを読み取ろうとした方が面白いと思います。

 

鑑賞の楽しみは、「勝手な深読み」で  その解釈が作者の意向と

違っていてもいいと考えます。

 

今回のトークでは 笹村さんが 山平さんの作品から感じる「北海道に

生きる逞しい精神性」や 大原さんの作品からは「輪廻のような生死観

があるように思える。」と説きました。大原さんの作品では 画面下の

猫を抱く少女は死を思わせ、「その上のメリーゴーランドもジェット

コースターも動き出した後には 輪廻のように 必ず最初の場所に戻って

くる。」と言います。

成る程と思いました。

 

左作品 山平さんの作品

 

左作品が大原さんの作品

 

 

私はこのメリーゴーランドからは レイ・ブラッドベリの小説(「何かが

道をやってくる」)にあるような過去や未来に向かう時間の流れを感じ

たり、中原中也の「夏の夜の博覧会は、かなしからずや」(亡くなった

息子を悲しむ詩)を思い出して見ていました。ジェットコースターの

支柱とレールは 空に延びる無言の叫び声のように痛々しく感じました。

 

いい作品からは いろいろな解釈が生まれると思います。

 

自分の絵を言葉にして見る試みも大切ですが、他の人の絵を読み、

感想を言い合う事も 自分の作品を深めていく方法の一つだと考えます。

 

 

この巡回展では、水彩画のいろいろな方向性を

感じられることと思います。