黒い犬 |  SHOKEI 'S TIMES

黒い犬

 

 真夜中の駅前広場で写生をしている。

 

 終電が行ってしまうと閑散とした広がりが生まれる。

 ほっとしながらクレパスで描いていく

 

 時折、酔っぱらいや意味深なカップルが通り過ぎる。

 

 黒い大きな犬がワン・・・ではなく「オウ、オウ、」と

 吠えながら近づいてきた。息が荒い。

 悪気はないのだろうが 1対1で向き合うと恐ろしい・・・

 

 じっと固まって ひたすら通り過ぎるのを待つ〜

 

 

           

 

 

 

  猫ばかり描いてきたせいか

  犬を描いても猫みたいになってしまう

 

  ホントは もっと威圧的な大きな黒い犬でした。

 

  「己が身の闇より吼て夜半の秋」(蕪村) みたいな犬。 

 

 

 

 

 

                  

 

 

  自宅の近くの駅を描いていると  

  記憶の中の駅や夢の中の駅と

  同化していくように感じます。

 

  駅は旅の出発点であり 到着点でもあります。

  またもう一つの世界と繋がる通過点でもあると考えます。