【 当ブログについて】

 

当ブログは2006年に開設し、検索で上位に上がらなくなり、問い合わせも減ってきていました。

 

しかし、今でも毎日100アクセスくらいはいただくような状態であり、内容を更新した上、再スタートするべく、以下のサイトを新しく運営していきたいと思います。

 

 

うつ病~栄養療法ガイド~  https://utu-eiyou.jimdo.com/  です。

 

 

また、仕事のストレスに晒されていたこともあって、この数年さらに心身の状態を整えるために、東洋医学にも3年ほど取り組んできたのですが、その内容も今後更新していきたいと考えております。

 

ぜひ、こちらをブックマークに加えていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、うつ病の原因は、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内物質(=神経伝達物質)の不足により引き起こされていると言われていますが、これを「モノアミン仮説」と言い、この仮説に基づいて、薬物治療が行われています。

 

うつ病では、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内物質が減少していることをご存知の方は多いかと思います。しかし、脳細胞が死滅していたり、脳が委縮していること、また、脳の血流が低下していたり、逆に脳の血流が過剰で脳の部位によっては暴走してしまっていることまでご存知の方は少ないと思います。

 

元東北大学名誉教授の松澤大樹医師は、PETという脳の血流を調べる機械によって、「うつ病により海馬や扁桃体周辺の脳細胞が萎縮・死滅している」と指摘しています。 ⇒ 『 目で見る脳とこころ 』

 

下の図は、松澤医師がPETで撮影した「脳にキズ」です(赤い矢印の部分)。

うつ病克服マニュアル 

「海馬」は、記憶を司り、扁桃体は怖いとか不安であるとか、怒りや喜びなど原始的でシンプルな感情を司っているので、うつ病によって記憶力が低下するのは、海馬の委縮が原因であり、また、うつ病によって感情がコントロールできなくなるのは、扁桃体の委縮が原因である可能性があります。

海馬や扁桃体といった脳の部位が委縮する原因
については、加齢に伴う痴呆について説明されたこちらのサイトを以下の通り引用します。
 

<引用> 「(省略) 血中コルチゾールが慢性的に漸増する場合には、その作用が空間認知や学習能を担う海馬および神経変性や細胞死さえ促すことが知られている。」<引用終わり>

コルチゾールとは、副腎から分泌されるホルモンで、血糖値をコントロールするといった働きをもっており、本来体に必要なホルモンなのですが、加齢以外でも、ストレスによって過剰に分泌されることが分かっており、うつ病による脳細胞の委縮には、このコルチゾールが
深く関わっています。
→ コルチゾール(Wikipedia)

つまり、「ストレスによって増加するコルチゾールによって脳が破壊されている。」のです。


また、臨床神経科学者であるダニエル・エイメン博士は、松澤医師と同じ様に、SPECTという装置を用いて、うつ病患者の脳を可視的に観察したところ、「うつ病の脳では、深部辺縁系や前帯状回、基底核では、活動過多=過剰になっている反面、前頭葉皮質の部位では、活動が低下してしまっている」ことを発見しました。エイメン医師の著書『 脳画像でみる「うつ」と「不安」の仕組み 』

脳の活動が低下しているだけでなく(血流が低下している脳の部位があるだけでなく)、血流量が多く、脳の活動が過剰となっている部位も存在しており、この、脳の活動がアンバランスが、精神的なアップダウンを引き起こしていると考えられています。 SPECTによる診断について

 

(※最近では、光ポトグラフィーという装置で、同じ様に脳の血流を測定し、うつ病を診断しようとする試みも始まっています)


気持ちが落ち込むといった気分に関わる問題だけはなく、
  ・記憶力が落ちた、
  ・寝られない
  ・やる気が出ない
  ・集中力が続かない、
  ・頭が回らない・・・
といった能力に関わる問題がうつ病には生じることがあり、それは、脳に生じた異常が原因であると最新の研究の成果により考えられています。

うつ病の脳では、様々な脳内物質の分泌異常が生じたり、海馬や扁桃体の辺りの脳細胞が萎縮・死滅したり、脳の中に活動が過剰になったり低下している部位があるわけですが、なぜこのうような問題が発生してしまうのでしょうか?

先天的な理由もあるかもしれませんが、やはり「ストレス」が最も大きな原因です。

イジメやトラウマ、虐待、仕事や育児の悩み、家庭内の不和、親との軋轢など、慢性的に強いストレスを受け続けると、まず、感情を司る「 扁桃体 」が刺激され、そして、その刺激が慢性化し、扁桃体から出る脳の指令に異変が次に起こります。


脳からの指令に異常が生じると、ホルモンバランス、自律神経といった体の正常な機能(恒常性機能)に乱れが生じ、結果、上記のような脳の中の異常が起こって、うつ病を発症する、
といった経緯を辿ります。

つまり、ストレスによって扁桃体の興奮から始まった異常な指令が、体に備わる様々な機能を乱し、脳を狂わせ、結果、うつ病になると言えます。(左サイドバーのダニエルエイメン博士の著書参照)


しかし、脳の異常を起こす原因は「ストレス」だけではありません。もちろん、大きな要因はストレスですが、それ以外にも正常な脳や体の機能を狂わせ、うつ病を引き起こす原因が生活の中にも潜んでいます。

それは次のようなものです。

 

①食生活の乱れにおる栄養欠乏参照  

②ストレスによる栄養欠乏参照

③不規則な生活による自律神経の乱れ参照

④不規則な生活による睡眠リズム(=体内時計)の乱れ参照

④低血糖症(砂糖の取りすぎで起こる病気)参照

 

これらについて、以下、順番に説明していきます。


1.食生活の乱れによる栄養欠乏

偏った食生活、レトルト、コンビニ飯などの乱れた食事は、栄養不足や栄養欠損を引き起こし、セロトニンなどの脳内物質の合成がきなくなります。セロトニンやドーパミンなどの脳内物質の生成が少なくなれば、イライラや不安が募ったり、ストレスへの抵抗が弱くなり、鬱々とした気分が生まれ、それが慢性化すればうつ病になるわけです。


また、ビタミンやミネラルそれ自体が欠乏してしまっても、脳内物質の不足と同じ様に、精神的にイライラしたり、鬱々としたりする気分を引き起こします。社会生活の中ですでにストレス過多であれば、そんなときに食生活が乱れていると、うつ病を発症しやすくなるといえます。

摂取する栄養素は、精神活動に強く作用しており、栄養不足は精神の不安定さにつながるのです。


2.ストレスによる栄養欠乏

社会生活の中で、「慢性的なストレス」を感じていると、ビタミンやミネラルを大量に消失させます。

にわかには信じられないかもしれませんが、このことを示す非常に良い動画があるのでご覧ください。恐らく、「ストレスによって栄養素を大量に消失する事実」に、ビックリされるのではないでしょうか。

 

このように、「わたしは食事はバランス良く食べてるよ!」という人でも、慢性的、かつ、多大なストレスを感じていると、栄養不足の状態を作り出している可能性が十分にあります。また、食品自体の栄養価がどんどんと減っているので、バランスの良い食事を摂っていたとしても、現代のストレス社会の中では、栄養欠損を起こている可能性があると言えます。

つまり、一見、栄養の摂取が十分でいると思っていても、食品の栄養価の低下と、慢性的なストレスに晒されていることによって、結果的に栄養欠損の状態になり、うつ病になってしまう恐れがあるのです。



3.不規則な生活による自律神経の乱れ

昼夜逆転のような生活を続けていると、これも、うつ病の原因になります。人間は、朝日を浴び、適切な時間に食事を取る事で体=脳が朝であるとか、夜であるということを認識し、セロトニンやメラトニン(セロトニンの前駆体)が分泌されます。

しかし、それが狂ってしまう睡眠リズムは、脳内物質をはじめとするホルモンバランスの乱れに繋がるので、結果的にうつ病の原因になります。

 

睡眠リズムを甘く見てはいけません。東洋医学の考えでも、時間ごとに働く臓器は異なり、時間が夜になれば寝ることが健康の第一と考えられています。同じ8時間寝ても、適切な時間に寝ることが大事なのです。→参照

 

ストレス過多で、栄養不足の人が、睡眠リズムまでくるっていたら、どうなるでしょうか?もちろんすべての人ではないですが、うつ病を発症してしまう人が増えるのは想像に難くないでしょう。


 


4.低血糖症=砂糖や炭水化物の摂りすぎ

「 低血糖症 」と呼ばれるうつ病の要因があり、このことをよく解説している動画がありますのでご紹介します。

 

甘いものを食べると急激に( 一時的に )血糖値が上昇し、その後、血糖値を下げるため大量のインスリンが分泌され、この時、低血糖症の体質のひとは、血糖値が急落しすぎて「低血糖」という状態を作り出します。
 

低血糖状態になれば無気力や気分の落ち込みを引き起こし、また、低血糖の状態に至るまでの間に血糖値が、上がったり下がったりと、血糖値の乱高下が起ることで、自律神経や脳内物質は乱れ、うつ状態に陥りやすくなるのです。


■ まとめ

下の図は、ここまで説明してきた、複雑なうつ病の要因とそのメカニズムを示しており、さらにそれに対応する治療法をまとめたものです。

☆うつ病克服マニュアル☆


うつ病は、このような整理に基いて、治療を検討してなくてはなりません。

うつ病の治療・克服で重要なことは、
 
①『 心の問題=慢性的ストレス 』 に対するケア 

 ⇒ 認知療法などによる慢性的なストレスへの対処

②『 脳と体の機能を低下させる原因 』を除去し回復させるケア
 ⇒栄養素の摂取
 ⇒脳細胞の再生
 ⇒低血糖症の対応や、睡眠リズムなど生活習慣の改善


です。

精神的なストレスな除去と、脳と体のバランスを整えるという2つの面についてのケアが治療には必要不可欠ですが、そして精神面のケアについてはカウンセラーや認知療法に譲るとして、このブログでは脳と体対する物質的ケアについて様々な角度からご説明していきます。

 

サプリメントや食事から栄養素をしっかりと摂取し、また、うつ病につながりやすい生活習慣を見直すことで、脳のダメージを止めて回復させ、そして、本来、体に備わっている、脳内物質、その他ホルモンバランス、自律神経といった恒常性を安定させることをうつ病の克服を目指します。

うつ病患者の栄養欠損を疑い、栄養を補うという上記の治療方針は、「 栄養療法 」と呼ばれる新しい治療法で、ノーベル化学賞を受賞したライナス・ポーリング博士が提唱し、後に、エイブラム・ホッファー博士が継いだ、「 分子整合医学 」という考えに基づいていますが(参照、生活習慣の見直しについては、この栄養療法という新しい治療法に、さらに筆者の経験や当ブログへのご相談を受けてきた中で効果のあると思われる手法を加えています。

うつ病克服マニュアル

おそらく、このブログで紹介する治療法によって、早くて3ヶ月から半年、遅くとも1年の間に、状態は改善されるでしょう。


ただし、このブログは決して薬物療法を否定するものではありません。薬も1つの治療法として用いれば、大変、有効です。しかし、薬だけに頼る治療ではなく、このブログの手法を組み合わせて、段階的に薬を外し、身体を総合的に回復させることによって、うつ病の克服を目指せると思います。

栄養療法に最適なサプリメントについて