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オバマ大統領就任演説を読んで

1月22日の読売新聞朝刊に、オバマ大統領の就任演説が英和対訳で掲載され

ていました。

アメリカ大統領の就任演説は、日本の首相と違い後世に残るものであり、それをいち早く翻訳して提供するという読売のサービスに質の高いものを感じましたが、翻訳に関して1点気になったことがありました。


 エネルギーの利用方法のところで、「我々のエネルギー利用のあり方がを強化し」とあり、adversaryを「敵」と訳していました。オバマ氏は、ブッシュ氏と違い、基本的には敵対国を作らないだろうと思っていたので、違和感を覚えました。知人のアメリカ人にこの点を聞いたところ、「敵=enemy」は穏当ではないだろうとのことで、debateにおけるopponent=反対者と解すべきとの意見でした。

 ブッシュ時代のアメリカは、世界中から非難・罵倒・嘲笑を受け、アメリカの超大国としての権威は失墜しました。地球温暖化問題についても然りで、京都議定書を批准せず、石油資源をじゃぶじゃぶ使うアメリカは、自国の利益のみを優先し地球環境に配慮しない身勝手な国と見られました。

 そしてアメリカを非難する人々=反対者との論争において、相手に格好の攻撃材料を与えているというdebate的な発想ではと言っていました。


 余談ですが、平均以上の知的レベルのあるアメリカ人は、自分よりアホなブッシュを選んだアホなアメリカ人という立場に我慢できなかったそうです。ブッシュの発言には、小学生でもわかる文法的な間違いや言い間違いが多くあり、それらを集めた「Bushism」という本も出ている位で、日本では村井さんという方が書かれています。

 オバマ氏が大統領になって、ようやく自分たちよりも明らかに優れたリーダーを持つことができ、多くのアメリカ人はほっとしているといったところでしょうか。日本人は、まだしばらくは同じような思いをすることになりますが、少なくとも我々は直接麻生氏を選挙で選んだ訳ではないし、漢字の読み間違いは国内だけの問題であることが救いかも…。

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