規模のデカい同窓会『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』 | しばりやトーマスの斜陽産業・続

規模のデカい同窓会『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』

 スーパー戦隊28作目『特捜戦隊デカレンジャー』の放送20周年を記念したVシネクスト作品。この手の周年作品は約1時間の上映時間で公開規模が限定、後に販売されるソフトリリースがメイン。最近の戦隊シリーズやライダー映画は興行成績に苦しみ、番外編的なこの『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』も興行ベストテンに入っていない。

 それでもつくられる理由は演者側からの持ち込み企画だから。

 

 制作の大きなきっかけとなったのはキャストの二人、デカブレイク役の吉田友一とデカピンク役の菊地美香が高知県に移住しており、町おこしの一環としてロケを誘致、デカレンジャーのプロデューサーだった塚田英明が参加し、東映へのプレゼンが通った結果、実現。デカグリーン役の伊藤陽佑もアソシエイトプロデューサーとして参加することで元のキャストが集結。この手の企画は「同窓会」とか言われるが、規模のデカい同窓会ではある。

 

 同様の経緯を辿って制作された『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th Anniversary』もそうだが、この手の周年企画が完成するのは奇跡に近い。まず、役者が現役で、連絡が取れる関係であること。そして不祥事を起こしてないこと。噂では登場人物の一人が不祥事を起こしたことで台本も上がっていたのにお蔵入りになった作品があるという・・・

 

 ロケ誘致の話を聞いても映画は有能なプロデューサーがいないと作られないということがよくわかる。高知県でのロケを生かした物語の展開(少々強引にタイアップ協力が紹介されるプロダクト・プレイスメントには苦笑するが)もよく、20年という長期間を経て壊れないキャラクター同士の関係や新世代のキャラクターの継承にもつながる奥行のある展開は30周年もやれそうな雰囲気を感じさせる。

 

 ホント、不祥事ダメ絶対