幻の特撮ヒーロー『突撃!!ヒューマン』のマスクが鑑定団に出る | しばりやトーマスの斜陽産業・続

幻の特撮ヒーロー『突撃!!ヒューマン』のマスクが鑑定団に出る

  5月22日火曜日の『開運!なんでも鑑定団』に幻の特撮ヒーロー『突撃!!ヒューマン』のマスクが鑑定に出されていた。

 

 

 
 ヒューマンは72年に日本テレビ系列で放送された特撮ヒーロー番組。と言ってもウルトラマンや仮面ライダーみたいに撮影して、編集の上テレビ放送していたわけじゃない。各地の市民会館などで客を入れて公開収録、いわば『8時ダヨ!全員集合』スタイルの形だった。制作会社はウルトラマンのデザインで知られる成田亨さんのモ・ブル。
 ヒューマンは『UFO大戦争 戦え!レッドタイガー』『サンダ―マスク』と並ぶ70年代の三大幻の特撮ヒーロー番組といわれており、ソフト化はもちろん、配信も含め再見の機会がまったくない作品。収録のビデオテープを上書きして再利用していたためにマスターが紛失したとも言われている。
 番組終了後も各地でイベントの形でヒーローショーが行われたため、その際の映像がわずかに残っている、テレビ本編は誰も持っていないのだ。素材があるのに見る機会がない『サンダ―マスク』とは違う本当の幻だ。
 
 なんでも探偵団ではソフビ人形を約8000体を所有する61歳の依頼者が所有するヒューマンのマスクを鑑定。依頼者はなんと『ウルトラQ』などに出演し、『ウルトラセブン』に参加したスーツアクター、山村哲夫氏の甥っ子で、介護施設に入所することになった山村氏から形見分けのような形でヒューマンのマスクを渡された。山村氏は成田亨氏からマスクをもらったのだという。
 この出所からして本物の匂いがぷんぷんする一品だ。
 そして鑑定結果は・・・450万円!本人評価額66万円を大きく超える本物鑑定!
 ヒューマンは成田亨氏の「光を浴びて輝く」という意向を反映したステンレス製のマスクを使っており、鑑定されたものは収録時に使われた実物のマスクのように耳の部分に穴が開いていないため、予備としてつくられたものという。
 
 ヒューマンの主演はGSのオックス解散後の夏夕介。オックスは歌っている時に失神パフォーマンスをすることで人気を博していた。在籍中に俳優として活動もしていた夏は「公開収録でヒーローショーをする」というヒューマンに「これじゃオックスと何も変わらないぞ!」と言ったかどうかは知らないが、全力で体育の先生(そういう設定)を演じてヒューマン準備体操を歌っていた。

 そういう本気で取り組む姿勢がヒューマンを幻ながら今も語られる忘れがたい番組にしたのだろう。鑑定団放送をきっかけに当時の放送を見ていた50代以上のオタクたちがヒューマンの話題で盛り上がってるのだから、成田亨さんもあの世で大喜びのはず!