ラジー賞2023結果 | しばりやトーマスの斜陽産業・続

ラジー賞2023結果

 アカデミー賞の前日に発表されるその年最低の映画を決める第43回ゴールデンラズベリー賞が発表。最低作品賞は下馬評通り『ブロンド』が栄冠(?)に輝いた。

 

https://natalie.mu/eiga/news/516333

 

 マリリン・モンローの激しすぎる生涯について「新たな視点」で描かれた本作は新しいというより、ただのデタラメな上に彼女の名前を利用しながら辱めていると言われ、一部では死姦ポルノと痛烈に批判されていたので、受賞も当然!『ブロンド』については以下に書きました。

 

 

 主演男優賞はマーベルコミックの『モービウス』に主演したジャレッド・レト。吸血鬼のようなダーク・ヒーローものだが「画面が暗い、ストーリーも暗い!」と駄作評価を下され近年のマーベル映画の中ではDランクとされたが、無駄に長い作品に比べると上映時間108分は評価できるのではないかと。最低助演女優賞は同じ『モービウス』からヒロイン役のアドリア・アルホナ。

 

 最低助演男優賞は『エルヴィス』でトム・パーカー大佐役を演じたトム・ハンクス。同作はハンクスが特殊メイクによってラテックスを塗り付けたみたいな顔が変!とイジられていた。ハンクスは最低カップルを決める最低スクリーン・コンボ賞もひとりで受賞して2冠達成。

 

 最低リメイク、パクリ、続編部門はロバート・ゼメキスの『ピノキオ』。本家アカデミー賞では『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が長編アニメーション部門を受賞したのに、こちらの実写リメイクは最低評価。批判された理由は悪戯っ子のピノキオを愛されるキャラクターにしようとしたり、ピノキオを救う妖精を両親がナイジェリア系のシンシア・エリヴォが演じたことで、ポリコレ配慮だと(なぜか)非難が集中。デル・トロのストップモーションアニメ版はほぼ原作に忠実にしつつ(独自の展開もある)、彼お得意の不気味なキャラの造形が愛らしく施されてのと比べても、昨今のディズニーの過剰なポリコレ配慮が攻撃された感がありますね。

 

 名誉挽回賞は『イニシェリン島の精霊』が高評価のコリン・ファレル。彼は2004年の『アレキサンダー』(オリバー・ストーン監督作)がボロクソ評価でラジー賞を獲得しており、当時の最低評価を挽回したとのことで。『アレキサンダー』では強欲な母親(なんとアンジェリーナ・ジョリー)のせいで歪んでおり、男の親友とプラトニック・ラブに走るという役。征服者として君臨し、女を力づくでモノにしていたアレキサンダー像に新たな視点(またか)を加えた作品だが、それが病的な女好きで知られるコリン・ファレルってのは無理があるだろ!

 コリン・ファレルのエピソードですごいのは60代後半の女優アイリーン・アトキンスを3時間もかけて落とそうとしていた(当時ファレルは29歳)という話で、どんだけ女好きなんだよ!ちなみにアトキンスにはやんわりと断られたそう。本物の女好きとはこういうことか、と教えられた。

 

 ちなみに最低主演女優賞にはリメイクされた『炎の少女チャーリー』に主演した12歳のライアン・キーラ・アームストロングをノミネートさせたことがバッシングを受け、撤回、謝罪したことからラジー賞そのものが受賞という結果になった。ラジー賞は去年のブルース・ウィリスの一件といい、二年連続でしくじっているので来年は心底笑える結果になってほしいね、