困ってもいないのに『兄に愛されすぎて困ってます』
※この記事は前ブログの過去記事(2017/7/4)の再録です
男性向けのラノベでは一時期「冴えない主人公(童貞・コミュ障)が異世界にいって異性にモテモテ」という内容の物語が恥ずかしげもなく量産されていた(今でもある)が、当然、女性向け漫画の世界にも、ある。というか最近の少女漫画はそんなのばっかりで、ヒロインが何の努力もしないでイケメンにモテまくるという作品が雨後の竹の子のように量産され続けているのであった。これもそんなうちのひとつ。
告白12連敗中の橘せとか(ギャラが安すぎるせいか、最近やたらとヒロインを演じる土屋太鳳)はある日突然モテまくる!理由はない!
せとかに迫るのは、他校の先輩でいつでもせとかをお姫様扱いしてくれる王子様ことホスト系スウィートBOYの美丘千秋(草川拓弥)。他に30代から中学生までの彼女が十数人いるのだが、それらを振ってせとかに告白。理由はない!(映画を見る限り、理由がわからない)
二人目はせとかの初恋の人であり、大病院の院長の次男坊で研修医、超ドSで毒舌のセレブ系ののしり王子、芹川高嶺(千葉雄大)。オープンカーに載って高校の敷地内に現れる(迷惑な)彼は演じた千葉雄大の顔が小さすぎてカッコつけてかけているサングラスが全く似合っていない!
三人目はせとかの兄、はるか(片寄亮太)。「妹を泣かせていいのは俺だけだ」と豪語して通学バスの中でせとかと同級生がいちゃついてると並走する自転車からバスを蹴り飛ばすというこれまた迷惑極まりない男なのであった。彼は実は血の繋がらない義兄であって禁じられた恋に悶絶するのだが…
これにプラス、学校の教育実習生でブサイクなイケメン(ブサイクなんだが、女生徒に対するアピールが激しすぎて判断力の鈍った女生徒たちが「結婚して!」とか言い出す)、矢高北斗までがせとかにちょっかい出してくる。彼を演じているのがNON STYLEの井上裕介でチラシや予告編にも一切出てこないんだけど、どうして?(聞くなや)
というタイプの違う年上のイケメンに囲まれて誰を選んだらいいの?と悩むヒロインの苦悩が描かれるわけだが、イケメンたちがなぜヒロインを好きなのか一切わからないし、それで苦悩するヒロインの心情もこれまたまったくわからないので、この話のどこがいいわけ?中身空っぽのヒロインが中身空っぽのイケメンたちに群がられてあ~ん困っちゃうぅ~と悶え苦しむ、空虚なハーレムごっこ。
そもそもこのタイトルが腹立たしい。愛されすぎて困ってます、って全然困ってる様子がないし、イケメンに囲まれて本当は困ってもいないくせに、困ってるという文言を入れて「ハーレム趣味なんて童貞のラノベじゃあるまいし、恥ずかしくないの?」という同性からの非難を躱すために困ってますアピールをするこじらせ女子の態度が本当に腹立たしい。素直に「ハーレム状態最高です」って言っとけや!
こんな映画を観に行ってしまった俺が困ってます。
