情け無用のドン・キホーテ | しばりやトーマスの斜陽産業・続

情け無用のドン・キホーテ

※この記事は前ブログの過去記事(2014/6/3)の再録です

 

 

昔のアニメ、映画などがリメイクされることが多くなったが、その多くは現代風解釈という名の現代クリエイターによる独自解釈や、流行りものの安易なパクリ(アメコミ映画とか)だったりして、かつてのファンも、最近の観客も誰も満足しないものが出来上がるというケースが多々。どの作品とはあえていいませんが……
 なのでJ9シリーズがオリジナルスタッフの山本優、山本正之が関わった上で『銀河神風ジンライガー』として復活、さらには公式サイト上で



 たしかに、今を支える多くのアニメ制作会社やスタジオジブリのようにすぐれたクリエーターが監督をおやりになり日本はおろか世界のアニメとして愛されている例はあります。

 わたしもファンの一人ですし、尊敬する方々ばかりです。

 そんな珠玉の名作をさしおいて「オリジナルアニメをつくるぞ!」と声高にいっているわけではありません。

  ひるがえって、ではほかにクリエーターが純粋に世に送り出した世界の名作アニメとか日本中を熱狂させるオリジナルアニメがあるかといえば、どうでしょう?

 萌え系やBL等、今の流行に乗った数多くのアニメ作品が支持を得ているのは知っています。その中にオリジナルアニメもあるのでしょう。でも決定権を持っているのはクリエーターの方々なのでしょうか? 決定権はプロデューサーだったり代理店だったりスポンサーだったりで、クリエーターはやりたい仕事というよりオファーが来たからプロとしての力量をみせてやるんだというオリジナルアニメが多いのではないでしょうか。


第1回:オリジナルアニメに関して
http://jinraiger.com/archives/22


 こんなメッセージを出し、「クリエイター主導で行われるオリジナルアニメ制作」への熱い思いを口にしていたのを聞き、期待が高まった。
 「愚かなドン・キホーテといわれようがやるしかない」
 という言葉にも痺れた。すべてがクリエイターの思いのままになるわけではないだろうが、少なくともおもちゃが売れないから色を塗り替えろとか、売れ線の若手声優使え、みたいなスポンサーの大声に屈するようなアニメにはなるまい、オリジナルスタッフの手による露骨な萌えと円盤売りだけがすべてであるかのようなテンプレ大量生産アニメではない、視聴者の心に残り長く語り継がれる作品になるのだ、と……
 ところが、さっそくそのプロジェクトに暗雲が垂れ込めているのだった。

速報:「主題歌の作曲変更および作曲家の変更について」
http://jinraiger.com/archives/72

 オリジナルスタッフのひとりで作曲担当の山本正之氏が降板。

主題歌を中心に、当プロジェクトの盟友でもあり、作曲家として参入された山本正之氏と、作品に対する考え方と音楽の位置づけについて、大きなズレがあることが判明しました。幾度か討議を重ねましたが、一致点を見い出すことができず、双方妥協しても、「作品にとっては悪影響を残し」「音楽家としては意に添わない参加にしかならない」ことが明らかになりましたので、互いの尊厳を認めつつ訣別するには、早い時期がよい、との結論に達しました。
 という明確すぎるほどの決別。少し前の更新では山本さん自身もノリノリで主題歌制作している様子が伺え、トークショーでも披露した(参加者が羨ましい。この歌、もう聴けないんだな……)ほどだったのに。一体何があった?
 わかることは山本正之という人は意に沿わない参加はしない人だと言う事だな。以前もライブアルバム『あああ がらがら どんどんどん』発売に際して作られた宣伝チラシに「山本教のバイブル!」みたいな惹句をつけられた時
 「”山本教”ってなんだ?俺は宗教の教祖か?」
 と反発し、ラジメニアのイベントに集まった観客に
 「山本教の文字を消してくれ!」
 と叫んだのであった。会場は笑いに包まれてたけど、山本さん、目がマジだったよ……意に沿わないことには反発する男!山本正之!
 オリジナルアニメスタッフのひとりを失い片肺飛行になったジンライガー、山本優氏が本人の望むままにドン・キホーテ状態です。

 熱い思いで集った相棒が ズレを感じてすれ違い
 互いの尊厳を認めるならば 早いうちに決別だ
 愚かなドン・キホーテと言われようが ファンのためならやるしかない
 情け無用のJ9 お呼びとあらば 即、参上!