日本人としてミラノで生活をして思う事 (2:嫌でも国旗を背負っている) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

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約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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 前回に外国人が日本に対しては一般的には肯定的に見ている点が圧倒的に多いということを、自分の体験を元に例を出して書きました。

<参照記事:日本人としてミラノで生活をして思う事 (1:日本人はどう思われているか)


 日本人の仲間内でもこういう話を時々聞く事があります。「日本人でよかった」「日本人で助かった事も色々あるし、得をしたことも多い」と。要は、外国人にとって日本人ということだけで、前記の様な肯定的なイメージがあるため、日本人は変な事をしない、信用できるという前提から我々は何かをするに臨んだ時にスタートできるという利点が正直な所あると思うのです。そうじゃない地点からスタートしなければならない他の国の人からすれば、それはかなり大変だという事が想像できると思います。実際他のアジアの国の人から羨ましいといわれることもありました。やはり日本で生まれてよかったなと海外で生活すれば実感する事もそれだけ多くなるわけです。また、こういうことは日本にいると当然当たり前の事ですので実感するどころか、逆にそれに甘えて怠慢になる人もいるかもしれません。これは、やはり勿体ない。せっかくのありがたい環境を無駄にすることはやはりこれらを築き上げてきてくださった先人に対し失礼にあたるのではないでしょうか。日本人じゃない事で、信頼される立場になるまでに多大な苦労をしなければならない国に育って頑張っている人もたくさんいるわけです。ならば、我々はそのしなくてよい苦労の分、だからこそするべき努力があるのだと思うのです。この点を忘れてはいけないなと強く思います。


 ですが、 それを裏切る様な行動をとればその人の評価は一気に下がるでしょうし、なによりも問題なのは海外においてはそういったマイナスの行為は日本・日本人全体の評価も自分の評価と同時に下がる事にもなり兼ねないという点に留意しなければなりません。先のブラジルのワールドカップでの日本戦で、敗戦したにもかかわらず日本のサポーターが会場のゴミを拾って帰ったというニュースが海外でも広まり、日本人の姿勢を評価した報道がありましたが、当然の事ながら日本人の全員がこういった姿勢な訳ではありません。が、結果的には海外には“日本人は礼節をわきまえている、道徳意識が高い”といった、日本人さらには日本全体の印象につながる訳です。しかしながら、これはまた逆も然り、一部の悪い事を行った日本人のために他の日本人・日本という国の印象をも崩してしまう事にもなるわけです。


 僕はいつも思うのですが、これは日本人に限らず世界中のすべての人にあてはまると思うのですが、旅行であれ、仕事であれ、自分の国から一歩でも外に出れば、もう背中に自分の国の国旗を背負っているのだということを自覚しなければならないということです。これは、日本にいる皆さんの外国人の友人や同僚の事を考えてみてください。当然の事ながらどんな国の人であっても間違いなく個人差がありますし、一言でどこの国の人だからこんな人間だ、などとは決めつけられません。ですが、自分と身近に接する外国人の言動が、やはりその国の人ってこうなんだろうなというイメージを自然と植え付けるものです。つまりその人の出身地とその人の言動が自動的にリンクして記憶されて拡散されるということです。そう考えると、僕たち日本人はせっかくこういった良いイメージを他の多くの国の方々に持ってもらっているのだから、それをくつがえす様なことをすることはやはり今の日本の良いイメージを築いて来てくださった先人の方々の功績を裏切る行為</strong>だになるのではと思うのです。 とにかく外に一歩出れば国旗を自分の背中に背負っているのだという意識は持って責任ある行動をとるように心がけています。それは良い点はさらに伸ばし、悪い点は少しでも改善して行こうという様にです。


 さて、ではファッション業界において日本人である事が何かしらのアドバンテージをもっているのかどうか、ということに移ろうと思いますが、これももちろん「そうです」と言えると思います。次回に続きます。



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