日本人としてミラノで生活をして思う事 (1:日本人はどう思われているか) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

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約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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  前回まで外国で働くと必ずついて来る“言語の壁”について6回にわたって自分の経験を書きました。「言語を使いこなす(話せる)」という事は単に会話が出来るかどうかというだけではなく、自分の考えや感じている事をはっきりと伝える姿勢をも含むのではないかと言いました。今回はこの言語の問題も含む、海外(僕の場合はイタリア)で外国人として生活する、もしくは働く事とはどういうことかについて、自分の体験を元に書こうと思います。


 イタリアもフランスもイギリスもヨーロッパにおいてファッションが盛んな国ですが、同時に移民を多く受け入れている国でもあります。街を歩けば外国人に接しない日など100%ありません。それくらい日本人にとっては珍しいくらい色々な人種(言語であったり、肌の色であったり、それこそ服装であったり)が町中に存在します。日本は大体どこへ行っても町中を歩いている人は日本人っぽい顔つき(黄色人種)の人がほとんどなので、例え中国人や韓国人がいてもそんなに違和感はありません。ただ、ミラノでは我々黄色人種は完全にアウェイの顔つきですので、街を歩いても店に入っても地下鉄に乗り込んでも、ちらちら見られたり、ひどい場合はガン見してくる人もたくさんいます。生活を始めるとまずはここで自分は外国人なのだと感じます(もちろん旅行に来てもそれは同じですよね)。今となってはアジア諸国の事情、違いなどに詳しい人もたまに見かけますが、それでもたいていのイタリア人からすれば仕事等でアジア人と接する事が無ければ、日本人、中国人、韓国人も台湾人も全部ひとくくりにしている人がまだまだ多いのではないでしょうか。それは僕たちも一緒で、スペイン、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、オーストリア、ポーランド、ハンガリー、チェコ、ブルガリア、、、と名前は知っている人がほとんどでしょうが、実際に例えばハンガリー出身の人が会社にいなければ、その周辺諸国との違いをはっきり言える人は少ないと思います(僕は自信を持って言えません)。つまり、そういった外国やそこの国民の歴史・産業・文化などの知識を、生活上(コミュニケーション上)必要な情報として仕入れるかどうかということになると思います。そういった意味で言うと、日本という国は多かれ少なかれかなり多くの人に認識されている国でしょうし(実際今までタクシーやお店や全ての人を含めて、日本から来たといって(?)な対応をされた事は一度もありません)、色々質問をされたりすることも多いです。少し、今まで聞かれた日本に対する肯定的な事と否定的なことを思い出せる範囲で箇条書きにしてみようと思います。あくまで僕自身の経験からです。



<日本に対して肯定的な意見・イメージ(実際訪れた事のある人と無い人の意見一緒にしています>

電子機器、車などのテクノロジーが発達している(自分たちの国より日本の方が発達していると正確に理解しているイタリア人も多くいます)

礼儀が正しく、性格が穏やかで、叫んだりどなったりしない。

時間や物事に精密で、物事もとても整理・管理されていてスムーズに進む。

お店の店員の対応が常に笑顔で、サービスがとても丁寧

素晴らしい漫画がたくさんある

寿司を始めとする日本食がおいしい(ヨーロッパと違い油をあまり使わずに健康的だということと、今の世の中では異文化に精通する事がある種のステイタスになっているということもあって、アジア料理を好んで食べるということが自慢のようなことにもなっている側面はあると思います。我々にとってもフランス料理やイタリア料理などに詳しいと、なんとなく教養があるように見えるのと似ているとは思います)

財布を落としても、中が入ったまま返ってくる

突拍子も無いオリジナルなデザイナーがいる(ファッションのみならず、色々な分野で)



<日本に対して否定的な意見・イメージ>

日本で英語が通じない(けど、対応は親切で通じないなりになんとかしてくれるという意見が多かったですが)

働き過ぎ

上下関係が厳しい(年齢差、会社での上下関係など)

Yes かNoかはっきりしない(なんでも曖昧にYesという)

“神風”や“腹切り”など“死”に関して理解できない思想を持っている(いた)。

日本での住所の見方が判りにくい(ヨーロッパの様に道路の全てに名前がついておらず、ブロックごとに数字が割り当てられているので、確かに判りにくいと思います)




 人によっては他にも色々な意見があるかもしれませんが、僕としてはこんなところでしょうか。こうやって見ていると、やはり肯定的に見られている点が圧倒的に多いと(僕には)思いますし、実際日本や日本人と聞いて否定的な印象を持っている人は人種差別主義者の人でない限り少ないのかなと思います。次回に続きます。



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