言語の壁 (4:“日本人”でいることは誰のためにもならない 前編) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

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約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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前回からの続きです。

参照記事:言語の壁 (1)

参照記事:言語の壁 (2:責任転嫁)

参照記事:言語の壁 (3:僕の外国語勉強法)



 仕事を始めて2年半くらいの時でしょうか、また再び言語に関する嫌な事件が起きたのです。あれは2週間の夏休みが終わってしばらくした、9月の始めくらいのことでした。まず長くなりますが、この事件が起きるまでの経過を説明しないといけません。この頃はもうある程度英語で話す事は出来るようになっていたのですが、まだまだ僕の姿勢が“日本人”で、嫌な事があっても我慢をしてあまり文句を言えない状態でした。そしてなんとその年の1月くらいから夏休み前まで休みが本当に少なく(土日も含め)、精神的肉体的に相当まいっていたというのもあるのです。そしたら、これだけ働いていれば当然人間の士気というものは下がるに決まっているのですが、7月くらいのある日こんな僕たちの姿を見て、上司が「なんか最近お前達のやる気が失せているように見えるんだけど、疲れているの?だったら一日休んでいいから、ゆっくりしたら?」って言われたのです。僕はコレを言われたとき正直相当腹が立ちました。だって言い方が、すごく否定的(ネガティブ)だったのです。これだけ働いているのだから疲れているのは当たり前だし、休みが必要なのは当然だろう?僕たちを何だと思っているんだ、と。だけど、そこは“日本人”、ぐっとこらえて何も言う事はありませんでした。


 やっと久々の休みが取れて、夏休みまで少し働いて、2週間のバカンスを取って、また働き始めた9月頭のことでした。今まで完全に会社に言われるがままで働き続けて、自分からNOということはほとんど無く、そろそろ限界に来ていたのです。いくらイタリアには仕事の経験を積みに来たとはいえ、自分で自分の生活スケジュールを立てられない、いつまで働き続ければ区切りがつくのか全く見えない、全ては会社次第、、、こんなストレスの中で働き続けるのはもう限界だと思っていたのです。だけど、そんな事は言い出せなかったし、仮にそんなことを言ったとして会社側が怒り出すかもしれないと考えると怖かったのです。

 そんな状態の9月のある日のこと、10月頭に日本人の友人が週末にスペインに行くから、時間があったらシュンスケもスペインまで来ないか?と誘われたのです。僕もスペインには行った事が無いし、時期的にもコレクションの直前では明らかに無かったし、週末くらい大丈夫だろうと思い、上司にお伺いを立てに行ったのです。「来月頭に日本人の友人が来るのだけど、週末休んでいい?もしダメならもちろん構わないけど、チケットを買いたいから出来れば早く教えてほしい」と頼みました。そしたらそれを聞いた上司にとてもイライラした表情でこう言われたのです。「そんな先の事わかる訳無いだろう?どうやって知れというんだ?そもそもおまえは夏休みの日程を決める時もそうだった様に、そう言って先に予定を立てて、結局こっちの状況がどうであれ休みをとるじゃないか、私はそういう態度は尊重できない!」って言われたんです。

 そう言えば、二週間取った夏休みもどうしてもロンドンに英語の語学留学がしたくて2週間の休みは最低欲しいと思い、飛行機と授業の日程の関係もあって早めに休みを決めたかったのです。だから7月の半ばに上司にこの日からこの日まで語学留学したいから休ませてくれと頼んでいました。だけど、だけどですよ、夏休みはみんな2週間そこそこ取って僕だけが特別な事を言ってるのではないし、10月の友達が遊びにくる件もの話です、!しかも間違いなくコレクション直前ではありませんし、しかもどちらにしても親切にと思って1ヶ月も前もって伝えている訳です。僕がいないとあらかじめわかっていれば会社としてもそういう体で計画が立てられますよね。なのに、僕の態度は尊重できない!って言われたのです。

 僕はこの時、完全にキレてしまいました。これで会社がごちゃごちゃ言う様だったら辞めてやるよ!と思い、意を決して反発したのです。「オレは1月から休みも無く連続して働いて来たし、今までそちらの要望に NOとは一度も言って来なかった。夏休みの件だって、仕事をよりスムーズにしたい、みんなに言葉で迷惑をかけたくないと思って仕事の事も考慮して語学留学を決めたし、今回の件だって土日の話でしょ?土日!?しかもコレクションはまだ先だし、親切にと思って一ヶ月も前に知らせているんじゃないか。それをわからないとか、知らないとか、おまけに尊重できないなんて一体どういうことなんだ?こっちこそそちらの態度は尊重できないね!そもそもオレは言いたい事がたくさんあるんだ、次の日曜日しっかり話そうじゃないか!」と言ってやりましたよ。もう覚悟は出来ていましたからね。窮鼠猫を噛むとはこのことでしょうか。もう相手がどう出ようと、どうせ戦うのなら戦いきって後悔せずに散ってやる!と思ったのです。次回に続けます。



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