<前回の記事(自己紹介:服の経歴 4(人生を変えた二人目のデザイナーの服に出会った東京時代))の続きです>
2008年2月、イタリア、ミラノへ到着しました。そのときはもう完全にキャロルクリスチャンポエル(CAROL CHRISTIAN POELL)に染まっていましたし、全体の雰囲気が他のブランドとは全く違っていたので、他のブランドを買って着る事は少なくなりました。もうその当時はいわゆるキレイな高級な服にはもう興味が無かったし、お金があれば誰でも買える服ではなく、着方を勉強しないと着れない服(変なデザインの服ということではなく、素材や色、丈の長さ、上下の組み合わせ、小物の使い方などのスタイリングの仕方)の方に興味があったのです。
なんといっても彼の姿勢でかっこいいのは、クラッシックな雰囲気のする細身なスタイル以外の服が一切無いという事です。例えばパンツ一つとって見ても、普通の会社ならば細いパンツ、少しゆったり、ゆったり、カジュアルなポケットなどがついたパンツ、、、、というようにお客さんが選べるように色々選択肢を与える訳ですが、キャロルの場合はパンツは細いモノだけ。たまに股上の深いものもあるけど細い。ポケットとかがごちゃごちゃついたカジュアルなのは彼のスタイルじゃないので作らない。いつも大体同じシルエットだけどパターン(型紙)で新しい方法に挑戦する事で面白く見える工夫を加えてデザインにするのです。ジャケットも一つボタン(たまに二つボタン)のコンケーブショルダージャケットのみ、生地も今トレンドの薄く軽く柔らかい生地は一切使わず形をキレイに保てる厚く重くパリッとした生地のみ、と徹底して自分のスタイルを貫いています。だからこそ苦手な人もいるでしょうが、自分の作りたい物だけを作るという数少ないデザイナーとしての理想像だと思います。新作コレクションも普通は年に二回、春夏コレクションと秋冬コレクションを世界全体で決まった時期に沿って用意するべきなのですが、彼は自分の納得したものが出来た時に発表するという姿勢で、世の中の流れは一切気にしていません。普通であればこんなことをすると、彼のコレクションを見るためだけに世界各国から買い付けに来ないといけなくなり、そんな面倒くさいことは普通のバイヤーはしません。ですが、彼の場合は彼の代わりとなる服が世の中にはないので、いつ発表されようが買いに行くしかないため、買いにくる人がいるのです。それくらい個性溢れた服なのです。(是非GOOGLEで“キャロルクリスチャンポエル”“CAROL CHRISTIAN POELL”画像検索してみて下さい。好きかどうかは別にして面白い服、イメージ画像色々あると思います)
そんなキャロルの服を着ながら、色の組み合わせに特に興味がわいてきました。一般的には全身真っ黒にすれば無難だし、何か少し違った存在感を放つ事が出来るのは確かですし、僕も昔は黒が大好きでしたが、最近は全く逆で、真っ黒がむしろ嫌になって来ました。全身真っ黒ってとりあえず変になる事はないし、だからこそ安易な色の組み合わせ(組み合わせというのもおかしいですが)とも言う事ができると思います。なんか、個人的な感覚ですがあまりプロっぽくないなーという気が最近あって、色と素材の組み合わせを旨く見せる事が出来ている人はやっぱりお洒落だなあと思うようになって来ました。同じ色でも素材が違えば雰囲気は全く変わって来ますし、そういった違いを使い分けられる人、なんかお洒落じゃありませんか?そんな中、今の仕事に声がかかり、働く事になったその会社のクリエイティブディレクターが世界でも超お洒落デザイナーという事でも有名な、ステファノピラーティ(STEFANO PILATI)なのです。日本ではなぜかやや浸透度が低い感じがしますが、ヨーロッパではシャレものとしてファッションスナップでもよく出て来ますし、本当にお洒落なので是非彼もググって(GOOGLEで画像検索)見ていただければと思います。次で完結です。
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