自己紹介:服の経歴 6(一度目の転職以降のミラノ生活・現在) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html

<前回の記事(自己紹介:服の経歴 5(初めてのヨーロッパ生活、ミラノ時代初期))の続きです


 イタリアにいて(たまにパリにも行って)思う事は、色の使い方がヨーロッパの人は日本人に比べて圧倒的に巧いと思います。日本のファッションスナップなんかを見ていると、目立って奇抜なだけの色の使い方、柄の使い方や着方をしている人が多いのに対し、ヨーロッパ人は同じ様な派手な色使いであったとしても自分のスタイルにしっくりなじんでいる人が多い(みんなではありませんが)と思います。似合っている、誰が見ても納得できる不愉快に思わない着方ということでしょうか。よくスタイルがイイし、顔が違うから仕方ないよとか言うことを聞きますが、まあ数%それはあるとしても、根本的に自分のスタイルを持っていて、それを長年色々なお勉強期間を経て洗練されて来たからこそ自分に似合った物を知っているのではと思うのです。しかし、一方で日本人(アジア人)の場合、中には目立つ事=お洒落と考えてるかの様な着方の人が少し多いように感じます。ところが、ヨーロッパのお洒落な人代表のステファノピラーティ(STEFANO PILATI)の場合は、彼のキャリアからしてもファッション界では超エリートですし、それはそれは良いモノを今まで見て着て、そして作って、、して来た事でしょう。そしてさらに彼自身も当然の事ながら洋服が好きでしょうし、色々着てみて試そうという意思があるからこそ今までの数多くの試行錯誤を経て、今現在のこういった彼独自のスタイリングを身につけたのだと思う訳です。ちょうどタイムリーな事に、つい最近(2014年6月21日)彼がディレクションをするエルメネジルドゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA )のファッションショーが開かれました。今ミラノは2015年春夏のメンズファッションウィーク中です。エルメネジルドゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA )はイタリアの有名高級スーツブランドで、顧客層がお金持ちのビジネスマンのため、ショー自体はあまり派手な事はやっておらず、堅実に着やすい良い素材の服を発表しておりこれはステファノのスタイルでもあると思いますが、スカーフの卷き方、色の使い方、組み合わせ方、そういった細かいところに注目してみて見ると、彼の味が伺えると思います。僕は特に後半の複数の色の組み合わせの展開が興味深かったですね。ショーで見ればやや地味かもしれませんが、実際自分の周りでこんな色の組み合わせしてる人がいたら?って考えると、、やっぱりお洒落じゃないでしょうか??個人的には彼のこのような才能はピカ一だと思うので、是非チェックしてみて下さい

<ERMENEGILDO ZEGNA: 2015S/S FASHION SHOW>

ERMENEGILDO ZEGNA HOME PAGE
http://www.zegna.com/jp/home.html?tp=65404&gclid=CIX2hqH5kL8CFYUIwwodzr8Atg

STYLE.COM (写真のみ)
http://www.style.com/fashionshows/review/S2015MEN-EZEGNA/

(ちなみに僕はゼニアが所有するレディスのブランドで、同じくステファノがディレクションするアニョーナ(AGNONA)で働いています)

 そんなこんなで、今は彼の着方、そしてスタイリングの仕方、作っている服などを参考に今まであまり注目をする事の無かった色と素材とそれらの組み合わせをもっと学ぶために良い服が見つかればお金を費やそうと思っています(これからセール時期ですしね!)。


 という様な流れで現在の自分があります。僕にしてもまだまだ勉強途中ですし、自分の体型、自分の顔、自分の年齢に合うスタイルというのは最終的には自分が決定するものです。いつも言っている事ですが、何事も勉強無くしては楽しむ事は出来ませんし、レベルを上げる事は不可能です。それは洋服でも同じで、たくさん良い物を買って、たくさん失敗して、そこから色々学び、また買って、、、を繰り返していくと、徐々に小さな違いがわかってきたり、ブランドでの差が見えてくるようになり、高い物と安い物の価値を判断できるようになり、他人のスタイルに少し注文を付けたくなったり(つけるかどうかは別ですが)と楽しくなってくるものです。そうやって良い物を自分の眼で見極めて買って楽しめるようになる人が一人でも増えてくれれば、日本のお洒落レベルも上がり、それはすなわち創る人のみならず、選ぶ人、紹介する人、売る人、など全てのレベルがアップするという素晴らしい環境になると思いますし、そういう環境づくりに少しでも貢献するために、このブログ上で色々自分の経験から得た“服を楽しむ知識”などを共有して行きたいと考えています。



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