イタリア人の働き方 | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html


 日本人は一般的に勤勉だと世界中で思われています。悪く言えば、働き過ぎ、なんでそんな働くのかとも思われています。イタリアで実際イタリア人と働いてみて、実際にその通りだと思います。今回は自分の経験を元に日本人、イタリア人の働きぶりの違いについて書こうと思います。


 まず始めにイタリア人の働きっぷりはどんな感じなのでしょうか。一般的な正社員の場合、こちらでは基本8時間労働で、土日出勤は基本的には有り得ず、出勤した場合には通常の二倍お金が支払われるようです。 今の会社の場合だと8時半から9時の間に出社する、一日8時間労働、一時間の昼休み、なので8時半に出社すれば17時半に会社を出る事が出来ます。夏場は9時くらいまで普通に明るいので、17時半に家に帰れたら、外で光をサンサンと浴びながらビールを飲む事も出来る訳です、素晴らしい!


 とまあ、基本はこういう流れなんですが、まず朝、8時半前後にみなさん会社に集まって来て、タイムカードを通すと仕事をし始めるのかと思いきや、コーヒーを飲みに自販機まで行き、そこから9時までは朝のおしゃべりタイムです。何時に着こうと9時までは一応会社に来るべき時間なので、おしゃべりしていても問題ありません(と思っているのでしょう)。 、、、、ってことは8時半に来ても結局働いている時間はルールの8時間ではなく7時間半になっちゃうワケなんですよね。それでもオッケーです。だってイタリアですから。そして午前、午後の二回、きっちり決まった時間に休憩をとります。僕たちがどれだけ忙しい雰囲気を醸し出していても、始めのうちは「おーい、休憩時間だよ、外に出てこいよ、おまえたち働き過ぎだよ!」って感じでズカズカと部屋に入って外におびきだそうとします。さすがにイライラしている時にこういうことされると、僕も黙ってはいれないので、何度か超感じ悪く、終わらせないといけない仕事があるから、って言って追い返すと、最近は空気を読めるようになって、あんまり近づかなくなってきました。何ごとも学習することは大事です。今一人アシスタントがいるのですが、彼女と同じ方面に住んでいる同僚が、自分の帰る時間になると、こちらが仕事をガンガンやっているにもかかわらず、「今帰るけど一緒に帰る?」って堂々と聞いて来たりします。まあ空気が読めないということもあるのでしょうが、就業時間が終わったのだから帰るのは当然だろうと思っているのでしょう。とにかく、イタリア人と働くのは自分が上の立場になると本当に大変です。日本のやり方が通じないし、押し付ける事も難しいですし、やばいです。最初のアシスタントはイタリア人でしたが、一緒に働けないので切っちゃいました。だから今のアシスタントはイタリア人ではありません。


 直接尋ねた訳ではありませんが、基本的にイタリア人は仕事を出来ればしないほうがいいこと、お金を稼ぐために仕方なくすること、と思っている人が多いように感じます(まあ間違いありません)。だから、終わりの時間が来たらどれだけ途中であろうが止めて帰る。面倒くさい事は他人に任せる、責任は出来るだけ負いたくない、なぜなら同じ給料なら責任は無い方が好ましい。そういった出来るだけ苦労をせずに過ごす方法を知らず知らずのうちに身につけているように思います。


 環境というものは恐ろしい物で、その環境に入ればその中での常識が勝手に身に付いてしまいます。その結果、上記の様な考え方が多数を占めるような環境ではそのような考え方が一般的になってしまうのです。ただし、幸いな事にじゃあ全てのイタリア人がそうかというと、もちろんそういう訳ではありません。責任のある立場の人はやっぱり皆より残って働きますし、仕事に対する向上心もありますし、上記の様な常識にとらわれたイタリア人の事を、残念ながらイタリアはこうなんだよ、と言ったりします。結局は、責任ある立場の人はやっぱり働くし、 熱意も合ってそれに見合っているかどうかはわからないけどそれなりの給料をもらっている。ただ、日本に比べて、仕事に対する姿勢が非常に否定的な人が圧倒的に多いのは良くも悪くも間違いなさそうです。


次回は、友人によく話す“伝説(レジェンド)を作った外国人”の話を僕の経験から紹介しようと思います。要するに、日本では考えられない様なことをしでかしてしまった外国人の話です。



本日の記事に共感頂けた方、是非下をクリックしていただき、多くの人と共有できるようご協力お願い致します!!

人気ブログランキングへ