”デザイン”の意味を考察する 1 | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html


 以前までデザイナー兼パタンナーをし、今は自身のブランドの指揮をとる立場の友人から、デザインについて考えたい、定義をしてほしいとの難題を突きつけられたので、それは考えねば!ということになりました。ちなみに、その友人は彼が考える定義を公表してくれて構わないとの事だったので、まずはここに紹介させていただきます。

“デザインとは人が求めるであろう喜怒哀楽を追求して創造する事”

彼は自分でもDJをする程の音楽好きですが、音楽が好きで音楽を提供するDJになったきっかけは、「何を相手に届けたいか?」の手段に共感が出来て身近にあったものが音楽だったと言っています。以下も彼の言葉を引用させていただきました。「音楽も洋服も相手に届けられるコミニュケーションのツールとして存在し、これは簡単に言うとデザイン=コミュニケーション なのである。ただし、今の多くのデザイナーが“人が求めるであろう”ことに対して的外れな事が多く、結局需要の無いデザインは自己満足で終わってしまう。」その後彼は企業としてのコムデギャルソンを肯定的に評価しています。「コムデギャルソンは、その企業の中に多数のブランドが設定され、それぞれのブランドの“相手に何を届けたいのか?”が非常に明確であり、なおかつ売り上げにも厳しく、組織も明確で無駄が少ない。」と言っています。売り上げに厳しいというのは、企業として考えると利益を上げなければならないのは当然で、コムデギャルソンはどのブランドにこの役割を持たせているかという事も明確で、確かにビジネスとクリエイションを巧みに両立させている数少ない(ほとんどない?)企業だと思います。そんなことを考えていると、今日ファッションスナップで面白い記事を見つけたので、出来れば読んでみて下さい。

クリエイティブな事はそんなにすごいのか

 この中でも述べられているように、ビジネスという側面、すなわち“人に知らせることに務めること”が出来なければ結局自己満足で終わってしまいます。例えそれが世界の認識を変えるかもしれないモノだったとしても、人に知られなければ変えようもありません。今の世の中で言えば、人に知られる、人がその良さを理解してくれるということはビジネスにも大きくつながっていますので、モノを作るという仕事にはビジネスの側面を無視する事の意味は無いということの考えも理解できますね。僕も以前の記事“考える理想の環境”「実力を持った人がその実力を正当に評価され、評価に値する分のお金を稼げるようになるという環境」が必要だといいましたし、ここから理解できるように、僕がお金を稼ぐということを前提にモノ作りを捉えていることがお判りしていただけるかと思います。僕も普通の欲のある人間ですので、この上記の記事には共感できる部分が多かったので紹介させていただきました。


 とにかく、自分の身近な所に友人の様な深い考えをもっているデザイナーもいるんだなということに気付けてとても嬉しく思った反面、さあ自分もきちんとした答えを出さねばというプレッシャーに押しつぶされそうになっています。さて、僕も友人のが言うように「デザイン(をする事)=コミュニケーション」だということは同じ意見です。そして友人、そしてファッションスナップ記事が言うように、ビジネスとして成り立たない(需要の無い)クリエイションは意味をなさないということも同意見です。ここで、自分が昔建築学部学生だった頃の、大学生活で唯一といってもいい、今でも心に残っているある授業でのある教授の言葉を紹介させていただきます。

「一般的に建築を学んだ学生は卒業の後どんな分野に進もうとも、ある程度ツブシが利く。というのは、意匠設計とは与えられた条件から自分自身で問題を提起し、自分自身でその解を導き出すということであり、これはどんな仕事を遂行する上でも必要なことで、あなたたちはその訓練を受けているからだ。」

明日も友人のデザインの定義と自分の考えを並べながら考えて行きます。






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