ベネッセアートサイト直島に学ぶ | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html


 もう今では超有名となりました、アートで町おこし(島おこし?)を成功させた、香川県の直島です。もう既に行かれた人も多いのではないでしょうか。建築家安藤忠雄さんが設計したホテル兼美術館「ベネッセハウス」、そして「地中美術館」、その他にも素晴らしい美術館があり、そして島中にアートを企画した「家プロジェクト」などがあって、、歩いても楽しめるようになっています。離島にもアートが仕掛けられています。僕は今までに2回訪れましたが、日程の都合上まだ豊島、犬島は訪れてません。友人曰く、是が非でも行くべき場所とのことです。


 アートも建築も充実していて、 素晴らしい場所なのですが、何よりもいつも驚かされるのは、外国人訪問者が本当に多いのです。アジア人はもちろん、ヨーロッパ人もです。だって直島ですよ!渋谷じゃありません。日本に住んでいる人でさえ、決して訪れるのに便利な場所ではなく、ちょっとした覚悟をして行かないといけない場所です。もう一度言いますが、麻布十番じゃありません、直島です!飛行場もなければ高速道路も無い、新幹線どころか電車も通っていません。ヨーロッパから10数時間飛行機でかけて日本に到着した後に、敢えてさらに2日間丸つぶししてまで行こうと思えるような場所だということを考えれば、本当に驚きじゃないですか?


 個人的な見解ですが、これには海外で住んでいる(住んでいた)日本人の影響もかなりあると思うのです。今や海外旅行と行ってもインターネットでなんでも情報を事前に手に入れることができます。ただし、どこの誰が書いたか分からない情報より、実際に良く知っているアートに詳しい日本人の友人の言葉の方が信用したいでしょう。僕はアートに明るくはありませんが、日本に行きたいって言うイタリア人から、アート関係で良い所あるかって聞かれたら、間違いなく直島を推すでしょう。その土地のことはその土地の人に聞く。これは僕たちだって海外旅行に行く際、現地の知り合いがいるならば、ビジネスも絡んでいるであろう観光ガイドブックとは別に、地元を知っているなまの人間の意見が聞きたい事と一緒ですよね。


 これは日本の良さは日本人が誇れるからこそ外にも浸透するのだという典型的な良い例だと思います。日本のモノの良さをまず日本人に認知してもらうということ。海外への発信も大事ですが、これを忘れてはならないと思います。そしてこのことは、規模を小さくして見れば、町おこし、地場産業の活性化など色々な方面でも共通した事が言えると思います。町おこしの場合なら、地元の人間が誇れるようなことを実行しない限り、うわっ面だけの薄っぺらい長続きのしないモノになってしまう危険性が大いにあるということを認識すべきではないのかなと思います。


最後にベネッセアートサイト直島のホームページより、代表の福武總一郎さんのメッセージ(一部)を紹介します。


(前略)情報・緊張・興奮・娯楽があふれる都会の喧噪からはなれて、心にも体にも元気を与え、安らぎを感じさせるこの環境の中で、人間が真に「Benesse(よく生きる)」とは何かを考える場所をつくりたい、アートは既に定まった価値観を学ぶのではなく、一人ひとりの方が作品と自ら向き合い、「Benesse(よく生きる)」を考えるためのものでありたい、こうした願いから直島での活動を初めて20年以上が経過しました。(中略)ぜひこの楽園を訪れていただき、「Benesse(よく生きる)」とは何かを考える契機としていただければと思います。


ベネッセアートサイト直島
http://www.benesse-artsite.jp/




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