国境線や多民族の交錯地帯においては、現在でも世界各地で紛争や戦争が行われている。さらに、争いの原因はもう1つある。それは宗教間の抗争だ。現在でも宗教を背景とした争いが各地で続いている。

 

あの英国でさえ、北アイルランドではカトリック教徒とプロテスタント教徒との北アイルランド紛争があった。今は休戦中だが、にらみ合いは続いている。中東のイスラム教シーア派とスンニ派の対立は多国間の戦争になっている。

 

日本には古来から様々な自然を人格化した神々が存在していた。太陽や月、風や雨や海、大きな木や岩や動植物も人間も、みんな神となった。

 

そこへ仏教が伝来すると、聖徳太子は良いものは良しとして神仏共存を図った。制定した十七条憲法 2 条にも「篤敬三寶」(篤く三宝を敬へ)と仏教を取り入れている。三宝とは仏(仏陀)・法(仏の教え)・僧である。聖徳太子は日本仏教の祖とされている。

 

日本ではこの神仏併存により、古代から現在まで宗教戦争はない。そのため日本人はおおらかな宗教観を持ち続けてきた。わが家を含め仏教徒が正月には神社へお参りをすることを奇異にも思わない、そんな民族だ。日本には排他的な宗教は必要がないし、存在してはならない。

 

日本は極東の端の端にある島国で、地面で接する国境線や民族間の紛争はない。繰り返すが宗教戦争も神仏併存の伝統によりない。だからこそ76年間も平和が続いているのだ。ありがたい国に生まれたことに感謝!感謝!しかない。

 

なお、十七条憲法 1 条は「以和爲貴」(和を以て貴しと為)」である。大昔から日本人は素晴らしい民族だ!