絵画を読むようにタロットを読む
フランソワ・ブーシェ 「オーレイテュイアをさらうボレアス」 (1769)
ホドロフスキーの著者にもありますが、人物の視線の先にカードを展開していく方法は、フランスでは一般的だと聞いたことがあります。
通常のスプレッドは、この場所は過去、この場所は未来、この場所は二人の関係性、この場所はあの人の気持ち、などあらかじめ決められたマッピングに沿ってカードを置いて解釈します。
フレンチスプレッドはそれとはちがって、動的に展開されます。時系列はあるのだけど、展開は人物の視線やカードの正逆によってフレキシブルに変わります。つまり、何枚展開されるか事前にはわかりません。その都度、枚数は変わります。
そして展開図の中に、相談者は自己を発見します。家族や恋人、友人、同僚がいるかもしれません。
視線の先に何があるのだろう?
何を観ているのだろう?
どこへ向かっているのだろう?
誰に背を向けているのだろう?
何から逃げようとしているのか?
そこに物語が生まれます。物語として語られることで、こころはメッセージを受けとりやすくなります。それは深層の自己からのメッセージです。
タロットイメージを通じて非言語領域ですでにわたしたちはメッセージを受けとっているけれど、言葉にすることで、こころと頭をしっかり結ぶことができます。
CBD Tarot de Marseille by Dr. Yoav Ben-Dov, www.cbdtarot.com
「先日、親戚経由でお見合いして何度か会った方がいるが、双方ともそれほどピンときてない。断ることになるかなとおもっているが、断ってよいだろうか?」(40代前半 女性)(掲載許可あり)
という質問で、スプレッドの中に女帝と恋人のカードが横並びで出たことがありました。(実際にはもっとたくさんのカードを引いています)
”妊娠”を象徴する女帝(相談者)が、恋人のカードの”赤ちゃん(天使)”をまっすぐに見ている。
この2枚の連携から、「こどもを持つことに関してどうおもう?」という声がふっと聞こえた気がしたので、そのまま口にしました。
お断りするつもりなのにこの質問が出てきたのは、100%決断できていない何かがこころの中にあったから。それは妊娠についてだったのかも…、年齢的にぎりぎりなので…とおっしゃってました。
タロットは、普段思考しているのとは別の角度から世界を観るように促すことがあります。
この2枚を見て強引に、「こどもを産んだ方がいいよ!そのために早く結婚しなきゃ」という押し付けではなく、「こういう感じがするけれど、どうおもいますか?」というやさしい問いかけを促したいです。タロットリーダーがやるべきことは、相談者に代わって答えを決めることではないからです。
相談者の「どうしたいのか?」を整理し、タロットに写るこころの声を翻訳して、相談者が自分で決めることのサポートをするのが、タロット・リーダーの仕事であり、お役目だと考えています。
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