CBD Tarot de Marseille by Dr. Yoav Ben-Dov, www.cbdtarot.com

 

 

 

 

 

 

タロットの基礎クラスでは現実に即した言語でのリーディングを意識していますが、これからはじめる象徴を読むクラスでは、大アルカナの象徴をアーキタイプのパターンとして理解すること目的としています。各カードの詳細についてはこちらでも書いていますが、このクラスでは象徴について学んだ後、シェアする時間をとりたいと思います。

 

 

 

 

さて、今日は一例として女帝

 

 

 

 

女帝のカードには足元に蛇のようなものがあって、この蛇は大地の生命エネルギー・創造エネルギーの象徴です。これは「火」のエレメント。蛇行する形が∞のマークのようでもあるし、豊かなエネルギーが循環しています。

 

 

 

 

女帝は権力もあるし、形にするだけの力がある。国を支配している君主なので「土」(物質)のエレメントもあります。

 

 

 

 

右手には黄色い鷲の盾があり、鷲は空に羽ばたくことができるし、世界のカードとの関連から「風」のエレメントを表しているとみることができます。

 

 

 

 

つまり「風」のエレメントで自由に羽ばたき、イメージしたことをぱっと形にできる。でも何を形にするかの決断は、デパートに買い物に行って「あれとあれとこれとそれ、くださる?」というくらいのゆるさではないかしら。ひとつに絞る必要もないんですね、女帝だし。思いつき(ひらめき)です。鷲の右羽根はまだ孵化したてで整っていないようにも見えるため、イメージの中を飛ぶにしても限界のようなものがあるのかもしれません。

 

 

 

 

そして女帝で面白いのは個人的には「水」のエレメントだとおもっています。お腹に三日月の形があったり、左手後方に手水鉢のようなものがあるので、水を示唆するエレメントはあります。

 

 

 

 

でね、女帝が見るイメージ・ビジョンって、過去に経験したことがないものを表します。経験したことを行動・再生するのは皇帝なので。

 

 

 

 

だとするとここでの「水」の感情は、想像上の感情ということになります。例えばまだ恋愛を体験していない人が少女漫画を見て憧れるとか、飛行機をつくったらどんなに気持ちがいいだろうとか、お金持ちになったら幸せにちがいないとか、そういう感じ。

 

 

 

 

ビジョンを見ている時点では、フィードバックとしての感情は未経験。ここに、失望のリスクがあります。実際に経験してみて満足のいくものだったか、もしくは満足しなかったのか、ということがわかるのだと思います。

 

 

 

 

だから恐れ過ぎずに、やってみることが大事なんでしょうね。女帝のカードでは勢い(火のエレメント)があるうちに何かしらの手を打っておかないと(宣言するだけでもいい[喉仏])、火が消えてしまったり、失望するリスクばかりが目につくようになるかもしれないからです。

 

 

 

 

リスクへの恐れは、創造性を萎縮させます。せっかく力はあるのに。また、満足できない場合は暴力的にいろいろなものを生み出すかもしれません。

 

 

 

 

個人的には女帝がその力を最大限に発揮できるヒントは、玉座の背にある水色の羽根のようなものではないか、と考えています。そのヒントは、ビジョンとは「作り出すものではなく与えられるもの」ということと関係しています。