小鳥は巣の中で兄弟と
身を寄せ合い
親鳥が運んでくれる餌を
まだかまだかと叫びながら
じゃれあいながら暮らしていた。
あるとき、通りすがりの鳥に
外の世界にはこの森とまったく
別のアルモノがあると聞いた。
鳥は興味を持った。
「それはナニ?」
月日がたち、
兄弟たちは1羽、また1羽と
世界をめざして旅立っていった。
小鳥は鳥になった。
近くを通る旅人たちに、
世界について聞きまわった。
その度に憧れはつよくなり
いつか自分も出発しようと心に誓う。
毎日のように。
ときには、話をきいただけで
枝の上を歩いただけで
じぶんが空を飛んだような気になった。
今日も親鳥は餌を運んでくれる。
ここにいれば安心だ、
食べることに困ることははない。
僕という肉体は生き延びることができる。
だいたい、飛べるのかどうかも怪しい。
やってみたことがないからわからない。
飛んでみて落ちたら死ぬかもしれない。
死ななかったとしてもかなり痛いはずだ。
そんな危険をおかしてまで?
仮に飛べたとしてもごはんは
どうやって見つけるのか。
どこにごはんがあるのかなんて
誰にも教えてもらったことがない。
見つけられなかったら餓死するではないか。
危ない危ない。
死んでしまうかもしれない。
巣からはみ出すほど、からだは大きくなった。
やがて棺になるだろう。
今日も世界へ憧れる旅は続く。
その胸の中で。
野生の感覚を取りもどせ。
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